Story
原油価格が続伸、イランがホルムズ海峡での米・イスラエル船航行禁止を検討との報道で

Summary
中東の地政学的リスクが再燃し、原油価格が大幅に続伸。イランが主要な輸送路であるホルムズ海峡で米国およびイスラエル関連船舶の航行を禁止する法案を検討しているとの報道が、供給懸念を強めている。
アジア時間の金曜、原油価格は前日の急騰に続き、大幅に続伸した。主要な輸送路であるホルムズ海峡の全面的な通航再開への期待が後退し、イランが米国およびイスラエル関連の船舶を対象とした航行禁止措置を検討しているとの報道が供給懸念を再燃させた。
東部標準時午後8時33分(GMT午前0時33分)時点で、10月渡しのブレント原油先物は1.4%上昇し1バレル=83.65ドル、ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は1.3%高の1バレル=78.26ドルで取引された。前日の取引では、ブレントとWTIはそれぞれ約4%、3%上昇していたが、週間ベースでは両指標とも7%を超える下落となる見込みだ。
ホルムズ海峡の緊張が再燃
メディア報道によると、イランの議会委員会が、米国およびイスラエルの船舶によるホルムズ海峡の通航を禁止し、違反者には積荷価値の最大20%の罰金を科す法案を審議している。さらに、イランのイスラム革命防衛隊は、ホルムズ海峡で「敵対的標的」を攻撃したと発表した。
この動きは、週初に見られた市場の楽観的な見方を覆すものとなった。当初、イランとオマーンがホルムズ海峡の航行を正常化する合意に近づいているとの期待から原油価格は下落していた。しかし、合意の詳細が明らかになるにつれ、再開が米国とイスラエルの船舶を除外する可能性が浮上し、地政学的リスクが再び強く意識されることとなった。
Ad市場への影響と背景
世界の石油および液化天然ガス(LNG)輸送量の約5分の1が通過するホルムズ海峡におけるいかなる航行制限も、エネルギー市場にとって重大な供給懸念となる。市場の不安を増幅させる要因は他にもある。
- イエメンのイラン系武装組織フーシ派がサウジアラビアの軍事拠点やインフラへの攻撃を主張し、紅海の航行ルートに対する懸念も高まっている。
- ウクライナのドローン攻撃によりロシアの主要な製油所で火災が発生したとの報告も、供給不安を煽る材料となった。
投資家はまた、金曜に発表される米国の非農業部門雇用者数報告にも注目している。この経済指標は米連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策の方向性を示唆するものであり、金利の上昇は経済活動を減速させ、燃料需要を抑制する可能性がある。