Story
ネパール洪水、死者・行方不明者多数 観光・インフラに大打撃

Summary
ネパールと中国の国境地帯で氷河の一部が崩落し、大規模な洪水と土石流が発生した。これまでに150人以上の死亡が確認され、多数の外国人観光客を含む数百人が行方不明となっており、地域の経済に深刻な影響が及ぶと懸念されている。
ネパールと中国・チベット自治区の国境地帯で発生した大規模な土石流と洪水により、多数の死者・行方不明者が出ており、救助隊が捜索活動を続けている。この災害は、地域の重要なインフラや観光業に深刻な打撃を与えている。
災害の概要と被害
ネパール警察が26日遅くに発表したところによると、これまでに157人の遺体が収容された。一方で、巡礼者や登山客に人気の山岳地帯であったことから、ネパール観光省は行方不明の観光客約400人のうち340人が外国人であるとメディアに伝えている。
この災害は、ヒマラヤ山脈の氷河と岩石が崩落したことによって引き起こされたとみられている。当初は地震の可能性が報じられたが、米国地質調査所(USGS)は、崩落そのものによって発生した地震波を観測したもので、構造的な地震ではないとの見解を示した。
経済への深刻な影響
この災害は、ネパールの経済、特に観光業とインフラに壊滅的な影響を及ぼしている。行方不明となっている外国人観光客には、米国人47人、オーストラリア人34人、英国人33人、カナダ人24人などが含まれていると報じられており、同国の主要な外貨獲得源である観光業の信頼が大きく損なわれる可能性がある。
Adさらに、複数の水力発電所や道路、橋などが流失した。これにより電力供給が不安定になるほか、中国との重要な交易路であるギロン(Gyirong)港周辺の道路網が寸断され、物流にも大きな支障が出ている。インフラの復旧には巨額の費用と長い時間が必要になるとみられる。
国際社会の対応
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、国連チームが被災地支援のために物資や人員を動員していると表明した。米国、カナダ、オーストラリアなども自国民の安否確認を急ぐとともに、状況を注視している。中国側でも国営放送がギロン県で3人が死亡、265人が行方不明と報じており、両国で救助活動が続けられている。
下流にあたるインド北部のウッタル・プラデーシュ州やビハール州でも洪水警報が発令され、住民の避難が始まっており、被害は国境を越えて広がる可能性がある。