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ロッキード、パトリオット迎撃ミサイルの廉価版を発表 航空防衛需要の急増に対応

米防衛大手ロッキード・マーチンは20日、主力地対空ミサイルシステム「パトリオット」向けに、コストを大幅に削減した新型迎撃ミサイルを発表した。ウクライナでの戦争などを背景に航空防衛システムの需要が世界的に急増する中、ドローンなどの低コストの脅威に対抗するための新たな選択肢を提供する。
新型ミサイル「ACE」の概要
英国で開催中のファンボロー国際航空ショーで発表された新型ミサイルは「PAC-3 Adapted Capability Effector(ACE)」と呼ばれる。同社によると、価格は米陸軍の予算資料で1発あたり約400万ドルとされる現行の高性能モデル「PAC-3 MSE」の半額以下になる見込みだ。
ロッキードは、初期生産は36カ月以内に開始可能としており、米国および欧州のパートナー企業と共同で開発・製造する計画。同社のミサイル・火器管制部門のティム・ケイヒル社長は声明で、「米軍および同盟国の戦闘員は、実戦で証明され、かつ予算的にも賢明な解決策を必要としている」と述べた。
需要急増の背景
パトリオットシステムへの需要は、2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻以降、世界的に高まっている。ウクライナは、同システムがロシアの弾道ミサイル攻撃から都市を防衛する上で重要な役割を果たしたと評価しており、ゼレンスキー大統領は追加供与を繰り返し要請している。
Adまた、中東におけるイラン、米国、イスラエル間のミサイルの応酬や地域の不安定化も需要を押し上げる要因となっている。この需要急増は、西側諸国の防衛産業全体で先進的な防空兵器の供給を逼迫させ、生産能力のボトルネックを露呈させている。
市場への影響と競争環境
今回の廉価版ミサイルの投入は、従来の防衛大手にとって新たな競争圧力となっている新興企業の台頭に対応する動きでもある。シリコンバレーなどが支援するスタートアップは、伝統的なシステムよりも安価で、迅速かつ大規模に兵器を生産する能力をアピールしている。
英国での発表は、ロシアの脅威を受けて再軍備を進める欧州市場への強い関心を示している。欧州各国が米国製兵器への依存度を下げ、域内での防衛産業育成を目指す中、ロッキードが欧州企業との連携を計画に含めたことは、こうした潮流に対応する戦略的な一手とみられる。