Story
金価格、中東情勢の緊迫化で4100ドルを突破

Summary
中東における地政学的リスクの高まりを背景に、安全資産としての金への需要が強まり、金価格は1オンス4100ドルを上回った。原油価格の上昇がインフレ懸念を再燃させ、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策への注目も集まっている。
金価格は続伸し、1オンスあたり4,100ドルの大台を突破した。中東情勢の緊迫化が安全資産としての金の魅力を高めているほか、エネルギー価格の上昇がインフレ見通しに影響を与え、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に対する市場の期待を形成している。
東部標準時21時44分(グリニッジ標準時01時44分)時点で、金現物(XAU/USD)は1%高の1オンス=4,119.54ドル、金先物(GC)は1.2%高の4,123.90ドルで取引された。他の貴金属も上昇し、銀は1.9%高の59.93ドル、プラチナは2.4%高の1,667.68ドルとなった。
中東情勢の緊迫化が背景
金価格の上昇は、前日の約2%の上げ幅をさらに拡大する動きとなった。市場では、世界的なエネルギー供給に対する新たな脅威が注視されている。ホルムズ海峡付近での米国とイランの新たな攻撃の応酬や、イエメンのフーシ派による紅海の海運に対する脅威の再燃が報じられている。
これらの地政学的リスクは原油価格を押し上げ、インフレが高止まりする可能性を高めている。これはFRBの金融政策を複雑化させる要因となり、投資家はインフレリスクと軟調な米経済指標を天秤にかける状況に置かれている。金利を生まない資産である金にとって、高金利は通常逆風となるが、現在は地政学的リスクが価格を支えている。
市場の注目はFRBの政策へ
市場の関心は、7月28日、29日に開催予定の次期連邦公開市場委員会(FOMC)に向けられている。エネルギー価格の高止まりが続くとの見通しは、FRBの利上げサイクルに関する判断に影響を与える可能性がある。
AdIGの市場アナリスト、トニー・シカモア氏は、米ドル高と米国債利回りの上昇にもかかわらず金が反発している点を指摘。「地政学的緊張が高まる中、投資家が金の伝統的な安全資産としての役割を再認識し始めていることを示唆している」と分析した。同氏はまた、個人投資家のポジション整理が進んだことも、金が安全資産としての魅力を取り戻す一因となっている可能性があると付け加えた。
テクニカル分析と今後の見通し
シカモア氏は、テクニカルな観点から、6月下旬の安値である3,942ドル付近で底値が形成されつつある初期の兆候が見られると述べた。今後の注目点として、以下の水準を挙げている。
- 下降トレンドの抵抗線: 4,120ドル付近。ここを明確に上抜けることが重要。
- 次の上値目標: 7月上旬の高値である4,202ドル。
- 長期的な目標: 200日移動平均線が位置する4,494ドル付近。
同氏は、金価格が6月下旬の安値を上回って推移する限り、「慎重ながらも強気な見方」を維持するとしている。