Story
金価格が3カ月ぶり高値、米財政懸念と国債買い入れで4650ドルに迫る

Summary
米国の財政リスクと財務省による長期金利抑制策を背景に、金価格が1オンス4,650ドル近辺まで急騰し、3カ月ぶりの高値を更新した。投資家の安全資産への需要が強まっている。
金価格は月曜日の取引で続伸し、1オンスあたり4,650ドル近辺と約3カ月ぶりの高値水準で推移した。米国の財政状況に対する懸念が強まる中、米財務省が長期借入コストを抑制する動きを見せたことが、安全資産である金への需要を押し上げている。
背景:米財務省の市場介入が引き金
今週の金価格上昇の直接的な要因は、米財務省が予想外に長期国債の買い入れを強化したことにある。この措置は債券利回りとドル相場を押し下げる効果があり、法定通貨の長期的な購買力に対する投資家の信頼が揺らいだ際に、金のような実物資産へ資金が向かうという伝統的な投資ロジックを再燃させた。
スコット・ベセント財務長官は、政府が債券買い戻しプログラムをさらに拡大する可能性があると示唆しており、政府の借入コストを削減するための新たな財政措置を近く発表するとしています。市場では、この介入が債券市場の自由な価格決定メカニズムを歪め、政策当局が積極的に借入コストを管理しようとしている兆候ではないかとの懸念が広がっています。
市場への影響と投資家心理
ANZ銀行のアナリストは、財務省の介入が米国の財政状態に対する市場の不安を一層煽っていると指摘。金価格が4,500ドルを突破した背景には、政府が長期金利を継続的に抑制するとの観測があり、ドル安圧力も投資家による金への資産配分を後押ししているとの見方を示した。
Adこの動きは投資家の行動にも変化をもたらしている。ANZのデータによると、金を裏付けとする上場投資信託(ETF)は、2025年9月以来で最大となる単日の資金流入を記録し、純流入は5週連続となった。これは、財政不安や政策の不確実性を背景に、投資家が米国資産から投資先を多様化させようとする広範なトレンドを反映している。
今後の見通しと注目点
テクニカル面でも強気のシグナルが見られる。金価格は、長期的なトレンドの強さを示す重要な指標とされる200日移動平均線(約4,513ドル)を上抜けた。現在の上昇モメンタムが続けば、次の主要な技術的目標は4,700ドル近辺になると見られている。
米政府債務が初めて40兆ドルを突破し、ドルが3カ月超ぶりの安値水準に下落するなど、マクロ経済環境も金の魅力を高めている。世界黄金協会(World Gold Council)も指摘するように、根強い地政学的リスクやインフレ圧力に加え、各国中央銀行による継続的な金購入も、金価格の重要な下支え要因となっている。