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ドル、数カ月ぶり安値圏で推移 PCE物価指数とFRB議長講演に市場の注目集まる

米ドルは25日、数カ月ぶりの安値圏で横ばいとなり、上値の重い展開が続いている。市場参加者は、今週後半に発表される重要なインフレ指標と連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控え、米国の財政悪化と金利差縮小への懸念からドル買いに慎重な姿勢を崩していない。
市場概況:ドルは安値圏、ポンドは堅調
ドル指数(DXY)は0.1%高の99.065と小幅に反発したものの、先週記録した3カ月ぶりの安値である98.5近辺にとどまっている。市場では、米国の財政問題といったマクロ経済の圧力が、地政学的なニュースよりも重視される傾向が鮮明になっている。
主要通貨の動向は以下の通り。
- ポンド:主要10カ国(G10)通貨の中で最も堅調に推移。英国の国債利回りの底堅さとサービス価格の粘着性が支援材料となり、5営業日続伸している。
- ユーロ:対ドルでほぼ横ばいの1.1600ドル。予想を上回るドイツのGDP成長率(前年比+1.0%)が下支えとなった。
- 円:対ドルで0.2%下落し、1ドル=159.35円まで円安が進行。日米金利差が引き続きドルを優位にしている。
- 豪ドル:ほぼ横ばい。オーストラリア準備銀行(RBA)の8月会合議事要旨では、追加利上げの必要性を巡り政策担当者の意見が分かれたことが示された。
背景:米財政への懸念が重石に
ドル相場の重石となっているのは、米国の財政に対する根強い懸念だ。連邦政府の債務総額は40兆ドルを突破し、年間財政赤字は1.8兆ドル規模で推移しており、ドルの構造的な魅力を損なっている。
Ad米財務省が、財務省一般勘定(TGA)の現金残高約9,400億ドルを長期債の買い戻し計画に活用する可能性があると報じられたが、市場の供給過剰懸念を和らげるには至っていない。投資家が米国債に対してより高い期間プレミアムを要求する中、これまでドルを支えてきた実質金利の優位性が失われつつある。
ロイズ銀行の為替ストラテジスト、ニコラス・ケネディ氏は「ドルが持続的な上昇基調を形成するのは依然として困難だ」と指摘。「ドル売りを正当化する材料は増えているが、より大幅な下落には、ベセント財務長官と債券市場との間の緊張が激化し、より広範なリスクセンチメントに波及する必要があるかもしれない」との見方を示した。
今後の焦点:PCE物価指数とジャクソンホール会議
市場の関心は、今週発表される米国の経済指標と金融政策イベントに集中している。27日にはFRBがインフレ指標として最も重視する7月の個人消費支出(PCE)価格指数が発表される予定で、市場参加者はコア価格圧力の鈍化を示す証拠を探ることになる。
さらに、29日にはFRBのケビン・ウォーシュ議長が、ジャクソンホール経済シンポジウムで基調講演を行う。為替トレーダーは、FRBが景気減速への対応を優先するのか、あるいはエネルギー価格主導のインフレリスクに断固として対処する姿勢を示すのか、議長の発言から今後の政策方向性に関する手がかりを探ることになるだろう。