Story
ダナハー株が急落、予想上回る決算もバイオ事業への懸念で

ライフサイエンスおよび診断薬大手のダナハー(DHR)の株価が、2026年7月21日の時間外取引で8.4%急落した。同日発表された第2四半期決算は市場予想を上回る内容だったが、中核事業の成長鈍化が示唆され、失望売りを誘った。
予想上回るも失望を招いた決算
ダナハーが発表した2026年第2四半期決算の概要は以下の通り。
- 売上高: 63億ドル(前年同期比5.5%増)
- 純利益: 8億7000万ドル
- 希薄化後1株当たり利益(EPS): 1.23ドル
- 非GAAPベースの調整後EPS: 1.94ドル(同8.0%増)
売上高と調整後EPSはいずれも市場コンセンサスを上回った。しかし、市場が注目したのは、調整後EPSが第1四半期の2.06ドルから減少した点と、後述するバイオプロセシング事業の収益が期待に届かなかった点であり、これが株価の急落につながった。
バイオプロセシング事業への懸念が重荷に
Ad株価下落の最大の要因は、同社の成長の柱と目されてきたバイオプロセシング事業の収益が、顧客のプロジェクトのタイミングによって影響を受けたとライナー・ブレアCEOが説明したことだ。投資家の期待が高まっていただけに、この未達は特に大きな失望感をもたらした。
一方で、同CEOは受注の基調は依然として力強いとも指摘しており、同四半期のバイオプロセシング事業の受注は10%台半ばの成長を記録した。しかし、目先の収益化への懸念が、このポジティブな側面を打ち消す形となった。
アナリストの慎重な見方と買収への不安
決算発表前から、一部のアナリストは慎重な見方を示していた。Wolfe Researchはダナハーの投資判断を「Peer Perform」に引き下げ、Evercore ISIも目標株価をわずかに引き下げていた。市場の地合いが良好(S&P 500とナスダックは同日上昇)だったことを踏まえると、今回の株価下落はマクロ経済要因ではなく、完全に同社固有の問題に起因するものだ。
加えて、99億ドルを投じたマシモ(Masimo)の買収を巡る投資家の不安も根強く残っている。この買収により、ダナハーは中核のライフサイエンス消耗品事業から臨床患者モニタリングという新分野に進出することになり、関連債務や特許紛争への懸念が株価の重荷となっている。