Story
韓国クーパンへの巨額課徴金、米韓の新たな火種に

Summary
韓国政府によるEC大手クーパンへの巨額課徴金が、米国からの「差別的」との批判を呼び、外交問題に発展。米韓の安全保障や経済協力にも影響を及ぼす可能性が浮上している。
韓国の規制当局が米シアトルに本社を置くEC大手クーパン(Coupang)に対し、大規模な個人情報流出を理由に巨額の課徴金を科した問題が、米韓間の外交問題に発展しています。米国側からは「米国企業への差別だ」との批判が上がっており、同盟国間の経済・安全保障協力に影響を及ぼす可能性が懸念されています。
巨額課徴金の経緯
この問題は、2023年11月に発覚したクーパンの個人情報流出事件が発端です。元従業員が中国からシステムに不正アクセスし、3300万人以上の顧客情報が流出したとされています。
これを受け、韓国の規制当局は今年6月、消費者保護を理由にクーパンに対し6250億ウォン(約4億2260万ドル)の課徴金支払いを命じました。クーパン側は、同社が講じた是正措置が無視されたとして、この決定に異議を申し立てる意向を示しています。同社は韓国最大のオンライン小売業者ですが、本社は米シアトルに置かれ、ニューヨーク証券取引所に上場しています。
米国からの批判と韓国の反論
この決定に対し、米国の一部からは韓国政府の対応を批判する声が上がっています。米下院司法委員会は今月発表した報告書で、韓国政府がクーパンなどの米国系企業に対し「規制を武器化」し、差別的な扱いをしていると非難しました。米国務省の報道官も、韓国は「米国企業に不釣り合いな負担を課すべきではない」との見解を示しています。
一方、韓国側はこれらの主張に強く反論しています。与党議員はロイター通信に対し、「これは米国企業への差別ではない。3500万人に影響を与えた個人情報流出への対応であり、どの企業に対しても同じ措置をとる」と述べました。韓国大統領府も、米下院の報告書はクーパン側の主張を一方的に反映していると指摘しています。
Ad外交・安全保障への波紋
この対立は、単なる一企業の規制問題を越え、両国の外交関係に影を落としています。駐米韓国大使が協議のため急遽ソウルに帰国するなど、事態の深刻さがうかがえます。
市場関係者の間では、この問題がより広範な二国間関係に与える影響が注視されています。具体的には、以下のような重要案件への影響が懸念されます。
- 韓国による3500億ドル規模の対米投資計画
- 原子力潜水艦の建造計画
- 中国や北朝鮮に対する連携
また、米国務省はクーパン問題とは別に、韓国が偽情報対策を名目に通信関連法を改正し、コンテンツ事業者への罰則を強化したことにも「深刻な懸念」を表明しています。この法改正はGoogleやMetaなどの米IT大手にも影響を及ぼすため、米韓間のハイテク分野における新たな火種となる可能性があります。