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中国、ヘリウムの輸出を一時停止 中東情勢緊迫化で国内供給を優先

Summary
中国政府は、半導体製造に不可欠なヘリウムの輸出を即時停止すると発表した。中東での軍事衝突再燃による供給不安に対応し、国内の重要産業を保護する狙いがある。
中国は10日、半導体製造に不可欠なヘリウムの輸出を即時停止する暫定措置を発表した。ロイター通信が報じたもので、中東における軍事衝突の再燃が世界的な供給不足を引き起こすとの懸念に対応し、国内供給を確保する動きとみられる。
措置の背景
今回の輸出停止措置は、米国とイランの対立を背景とした中東情勢の緊迫化が直接的な引き金となった。ヘリウムは半導体製造における熱管理に不可欠であり、以前の中東での紛争時にも供給不足が発生し、世界のハイテク企業に影響が及んだ経緯がある。
中国はAI(人工知能)産業の育成に力を入れており、その基盤となる国内半導体メーカーの安定操業を維持するため、重要物資であるヘリウムの国内備蓄を優先する判断を下した。この動きは、燃料や肥料などで過去に取られた輸出抑制策と同様、国内市場の安定を最優先する北京の姿勢を反映している。
世界市場への影響は限定的か
市場への影響について、政策調査会社トリヴィアム・チャイナのコリー・コームズ氏は「イラン紛争の再燃を受け、国内供給を守るための明確な動きだ」と指摘。一方で、同氏は世界市場への直接的な影響は限定的との見方を示している。
Ad同氏によると、中国はヘリウムの純輸入国であり、特定の国が中国からのヘリウム輸入に大きく依存している状況ではないという。そのため、今回の措置が世界的な供給不足や大幅な価格高騰を招く可能性は低いと分析されている。むしろ、中東情勢の悪化による地域的な価格上昇を見込んだ国内企業が、利ざやを求めて余剰分を輸出することを防ぎ、国内価格の急騰を抑えるための予防的措置との側面が強い。
中国のヘリウム需給構造
中国はヘリウム需要の大部分を輸入に頼っており、トリヴィアム・チャイナの推計ではその割合は約85%に上る。最大の供給国はカタールで、近年の中国の輸入量の半分以上を占め、世界供給の3分の1を担う主要生産国だ。
しかし、そのカタールからの供給は、過去にイランの攻撃によって妨害された経緯があり、地政学的リスクに脆弱な供給網となっている。ヘリウムは特定の天然ガス田からしか抽出できず、工業的に代替生産することが困難なため、供給網の混乱は半導体メーカーにとって深刻な問題となる。