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アルセロールミタル株が急伸、JPモルガンの格上げとEUの輸入規制強化を好感

世界鉄鋼最大手アルセロールミタルの株価が5.0%急伸し、57.24ユーロに達した。JPモルガンが、欧州鉄鋼市場の構造的変化を理由に、同社の投資判断を「アンダーウェイト」から「ニュートラル」へ引き上げたことが主な要因となった。
JPモルガン、投資判断を引き上げ
JPモルガンは、7月1日に発効したEUの新たな輸入セーフガード(緊急輸入制限)措置が、欧州の鉄鋼メーカーの価格決定力を回復させると分析。これにより、2026年と2027年の利益成長が見込まれるとしている。同行はアルセロールミタルについて、北米市場での力強い価格設定やカルバート工場の稼働本格化もプラス要因と指摘した。
この動きは、欧州の鉄鋼セクター全体への再評価の一環でもある。JPモルガンは同日、競合のフェストアルピーネとザルツギッターの投資判断を2段階引き上げており、セクター全体にポジティブなセンチメントが広がった。また、ゴールドマン・サックスもアルセロールミタルの目標株価を46.00ユーロに引き上げたほか、バークレイズやドイツ銀行も週初に目標株価を上方修正していた。
EUの新たな輸入規制が追い風に
Ad今回導入されたEUの新たな関税割当制度は、無関税の鉄鋼輸入枠を約40%削減し、割当を超えた数量には50%の関税を課すというものだ。この措置は、安価な輸入品に対する強力な保護策と見なされており、欧州の国内メーカーの競争環境を改善し、年後半の価格回復を可能にするとの期待が高まっている。
背景と今後の見通し
アルセロールミタルは現在、自社株買いプログラムも進めており、6月末には最大1000万株を対象とする第2弾を開始した。これは、経営陣の自社株評価に対する自信の表れと受け止められ、一株当たり利益(EPS)を支える要因となる。
アナリストによる評価見直し、セクター全体の再評価、そしてEUの輸入規制強化という構造的な追い風が重なったことが、今回の株価上昇の背景にある。同社の株価は依然として52週高値の62.60ユーロを下回っており、市場は7月30日に予定されている次回の決算発表に注目している。