Story
米国、メキシコ産牛の輸入を段階的再開へ らせんウジバエ拡大懸念は残る

Summary
米国は1年以上にわたる禁輸措置を緩和し、メキシコ産牛の輸入を段階的に再開する。しかし、メキシコ北部でのらせんウジバエの感染報告が続いており、米国畜産業界からは懸念の声が上がっている。
米国は、食肉を食い荒らす害虫「らせんウジバエ」の侵入を防ぐため1年以上にわたり実施してきたメキシコ産牛の輸入禁止措置を緩和し、月曜日から段階的に輸入を再開する。しかし、メキシコ北部の国境付近の州で新たな感染が確認されており、市場関係者の間では依然として懸念がくすぶっている。
段階的な国境再開と市場の反応
今回の輸入再開は段階的に行われ、まずアリゾナ州の国境検問所から始まり、その後ニューメキシコ州の他の港にも拡大される予定だ。この決定は、メキシコ産牛への依存度が高い米国の食肉加工業者にとっては朗報となる可能性がある。
一方で、米国の一部の畜産団体や州当局者からは批判の声も上がっている。メキシコ北部でらせんウジバエの感染拡大が続いている上、すでにテキサス州とニューメキシコ州でも感染が検出されていることから、輸入再開はリスクを高めると主張している。米国農務省(USDA)は以前、再開はメキシコの防疫措置の遵守を条件とすると述べていた。
メキシコでの感染状況と対策
メキシコの主要な牛の輸出州であるチワワ州では、7月に最初の症例が確認されて以来、67件の感染が確定している。隣接するソノラ州でも先週、初の感染が報告され、これまでに2件が確認された。
Adこれを受け、メキシコのコルンバ・ロペス農相は、ソノラ州とチワワ州で不妊化したハエを放出して野生のハエの繁殖を防ぐ「不妊虫放飼法」を強化すると発表した。ソノラ州では緊急の監視・封じ込め体制が敷かれ、チワワ州では検査や家畜の移動制限、治療キャンペーンが強化されている。
今後の展望
メキシコは最近、チアパス州に不妊虫の生産施設を開設した。一方、米国もテキサス州に独自の生産施設を建設中で、2027年春までに完成する見込みだ。両国による防疫対策の有効性が、今後の貿易正常化の鍵を握ることになる。
投資家や畜産業界は、メキシコにおける封じ込め策の進捗と、米国への感染拡大リスクを注視している。今後の感染状況次第では、輸入制限が再び強化される可能性も否定できない。