Story
量子コンピューター関連株が急落、IonQやリゲッティなど高値から60%超下落

Summary
IonQ、リゲッティ・コンピューティング、D-Wave Systemsなど主要な量子コンピューター関連銘柄が、投機的な熱狂の反動と短期的な収益化への懸念から急落し、52週高値から60%以上下落している。
量子コンピューティング関連株が厳しい売り圧力にさらされている。IonQ(IONQ)、リゲッ-ティ・コンピューティング(RGTI)、D-Wave Systems(QBTS)などの主要銘柄は、直近1週間だけで17~20%下落し、各社の52週高値からは60~76%低い水準で推移している。
急落の背景にある過熱感の剥落
今回の急落は、典型的なハイプサイクルの反動と見なされている。2025年後半から2026年初頭にかけ、同セクターは量子超越性の実現といったニュースを背景に投機的な買いを集め、株価は300~600%以上も急騰した。しかし、ほとんどの企業が商業的な収益を上げていない現実との乖離が意識され始めた。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)は7月3日に開催された「Quantum.Tech World Conference」で、業界が「商業的に意味のあるアルゴリズムとフォールトトレラント(耐故障性)ハードウェアをまだ確立しておらず、広範な量子優位性が実現するまでにはまだ数年かかる」との見解を示し、短期的な収益化への道のりが長いことを示唆した。フィラデルフィア半導体指数が6月の高値から11%以上下落するなど、広範なハイテク株の売りも下落を加速させている。
長期的な成長ストーリーは健在か
短期的な逆風にもかかわらず、長期的な成長性に対する期待は完全には失われていない。Googleが2026年3月に発表した研究では、暗号解読が可能な量子コンピューターが予想より早く2029年までに登場する可能性が示唆されており、これはセクターの長期的な重要性を裏付けている。
Ad具体的な契約も進展している。Quantinuumはロールス・ロイス社とガスタービン設計に量子コンピューターを使用する複数年契約を締結。また、IQM QuantumはフィンランドのAI研究施設向けに量子コンピューターを納入する契約を獲得した。これらは、技術が単なる構想段階から実用化へと進んでいることを示している。
今後の見通し
アナリストの見方は分かれているものの、強気な目標株価も存在する。みずほ証券はD-Waveの目標株価を35ドル、ローゼンブラット証券は43ドルに設定しており、現在の株価の2倍以上の水準を示唆している。米政府による投資支援も追い風となっている。
結論として、短期的には明確な収益化の道筋が見えず、さらなる株価調整のリスクは残る。しかし、12~24ヶ月の長期的な視点では、政府の支援や実用化の進展を背景に、株価がアナリストの目標値に向かって修正される可能性も指摘されている。なおBofAは、より安定した財務基盤を持つ銘柄への投資を望む投資家に対し、同分野へのエクスポージャーとしてIBM(IBM)を推奨している。