Story
英7月CPI、予想通りでポンドは安定 追加利上げ懸念が後退

英国の7月消費者物価指数(CPI)が市場予想と一致したことで、イングランド銀行(英中銀)による追加利上げ観測が後退し、19日の外国為替市場で英ポンドは小幅高で安定的に推移した。今後のエネルギー価格の動向が懸念されるものの、当面は英中銀が金利を据え置く余地が生まれたとの見方が広がっている。
予想通りも伸びは加速
英国で発表された7月の年間CPI上昇率は2.9%となり、6月の2.6%から加速した。この結果は市場予想と一致したが、英中銀自身の予測である2.8%をわずかに上回った。
- 総合CPI: 年率2.9%(6月は2.6%)
- コアCPI: 年率2.6%で横ばい
- サービスインフレ: 3.4%に鈍化
今回のインフレ率上昇は、主に公共料金の変動や例年より早い衣料品の季節セールが要因。一方で、食品や航空券価格の伸びが鈍化したことで、全体の上昇は一部相殺された。変動の大きい項目を除いたコアインフレ率が横ばいであったことは、国内の根強い物価圧力が制御されている可能性を示唆している。
市場の反応と専門家の見方
インフレデータを受け、ポンド相場は比較的落ち着いた動きを見せた。GBP/USDは一時0.18%上昇し1.3556ドルをつけた。コアインフレの落ち着きがポンドの上値を抑える要因となっている。
Adキャピタル・エコノミクスの英国副チーフエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「国内の自生的なインフレ圧力は依然として抑制されている」と指摘。同行は英中銀が政策金利を年末まで3.75%に据え置き、来年には3%へ引き下げると予想しており、これは市場が織り込む4.25%~4.50%という水準を大きく下回る。
一方、INGのクリス・ターナー氏は、低ボラティリティ環境下でポンドがキャリートレードの需要に支えられていると分析。「ボラティリティ調整後の利回りがG10通貨の中で最も高い通貨の一つ」であるとし、EUR/GBPは当面0.8550近辺で推移すると見込んでいる。
今後の注目は米FRB議事要旨
市場の次の焦点は、本日後半に公表される米連邦準備制度理事会(FRB)の7月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に移っている。この会合でFRBは政策金利の据え置きを決定した。
ターナー氏は、議事要旨にタカ派的な文言が見られればドルが小幅に押し上げられる可能性はあるものの、「市場の状況を大きく変えるイベントにはならない」との見方を示した。INGは、FRBが9月の利上げを見送り、政策判断はジャクソンホール会議や今後のCPI、雇用統計の結果に委ねられると予想している。