Story
ポンド上昇、ドル全面安が背景 FRB利上げ期待後退も追い風

3日の外国為替市場で英ポンドは対米ドルで上昇した。日本当局による為替介入への思惑からドルが主要通貨に対して下落した流れに乗った。米国の経済指標が軟調だったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)による9月の利上げ期待がやや後退したことも、ドルの重しとなった。
ドル全面安がポンドを押し上げ
この日のポンド高は、英国固有の材料ではなく、主にドル安によって引き起こされた。夜間の取引でドル円が急落したことを受け、市場では日本政府・日銀による円買い介入観測が浮上し、ドルが全般的に売られる展開となった。
オランダの金融大手INGの為替ストラテジスト、フランチェスコ・ペソレ氏は、今回のポンド上昇について、英国の経済指標やイングランド銀行(英中銀)関係者の発言といった国内の材料がきっかけではないと指摘。上昇の要因は「ほぼ完全に、円相場の急変が引き起こしたドル安によるものだ」との見方を示した。
- GBP/USD: 米東部時間午前5時5分(日本時間午後6時5分)時点で、0.09%高の1.3499ドルで推移。
FRBの利上げ期待が後退
Adドル安のもう一つの背景には、FRBの利上げ観測の後退がある。発表されたADP民間雇用者数が3.8万人と市場予想を大幅に下回ったことが影響した。これを受け、金利先物市場が織り込む9月の利上げ幅は18ベーシスポイント(bp)から15bpへと縮小した。
ただしINGは、この期待後退について、市場が本格的にハト派へ転換したというよりは、原油価格の上昇が一服したことが主な原因だと分析している。ペソレ氏は「FRBが9月の利上げを見送るには、特に二次的なデータにおいては、相当高いハードルがある」と述べ、市場の反応は限定的との見方を示した。
市場の見方
INGは、短期金利の上昇やエネルギー価格の高騰がドルを支えるとして、ドル高基調は維持されるとの見方を変えていない。主なリスクとしては、米長期金利の上昇が米財務省の介入を促し、ドル安取引を再燃させる可能性を挙げている。
一方、ユーロも対ドルで上昇した。市場では来週の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げが広く予想されているが、INGは市場がタカ派的な結果を過度に織り込んでいる可能性があると指摘。インフレリスクよりも域内の債券利回り格差の拡大に対するECBの懸念が強いため、市場の予想よりも穏やかなメッセージが発せられる可能性があるとしている。