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原油価格が4日続伸、米国のイラン攻撃で中東の供給不安が再燃

米国によるイランへの新たな軍事攻撃を受け、中東の地政学リスクが急激に高まっている。これによる供給不安から原油価格は4営業日連続で上昇し、主要指標は1カ月ぶりの高値圏に達した。
米国のイラン攻撃で緊張激化
ロイター通信によると、米国は15日、イランの沿岸防衛施設およびミサイル発射拠点を攻撃した。これに先立ち、米国はイランの港湾に対する海上封鎖を再開していた。イラン側はこれを「存亡をかけた戦争」と位置づけ、地域のエネルギー輸出をさらに遮断する可能性を示唆し、報復姿勢を強めている。
この報道を受け、16日のアジア時間序盤の取引で、ブレント原油先物は前日比0.4%(33セント)高の1バレル=85.28ドル、米国産WTI原油先物は0.5%(42セント)高の80.02ドルを付けた。両指標とも前日に約0.3%上昇しており、1カ月ぶりの高値に迫っている。
ホルムズ海峡の供給途絶リスク
市場が最も懸念しているのは、世界の石油・液化天然ガス(LNG)貿易の約5分の1が通過する重要海上交通路、ホルムズ海峡での供給途絶リスクだ。6月に締結された脆弱な停戦合意が破られ、先週から両国間の敵対行為が再燃している。
Adアナリストは、イランがイエメンのフーシ派を利用して紅海への玄関口であるバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖し、米国に対する新たな戦線を開く可能性も指摘している。これにより、世界のエネルギー供給網における2つの最重要航路が同時に危険にさらされる恐れがある。
市場の見方と今後の展望
日産証券投資の菊川裕之チーフストラテジストは、「中東情勢の緊迫化で買いが先行している」と指摘。「全面戦争は回避されるとの見方がコンセンサスだが、紛争の展開次第ではWTIが85~87ドルまで上昇する可能性はある」との見方を示した。
ゴールドマン・サックスは、ペルシャ湾岸からの輸出回復が停滞し続けた場合、ブレント原油は第4四半期に110ドルを超える可能性があると予測。一方で、緊張が緩和し生産が予想より早く回復すれば、年末までに60ドル台まで下落する可能性もあると分析している。
一方、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、7月10日までの週の原油在庫は170万バレル減となり、アナリスト予想の260万バレル減を下回った。地政学リスクへの懸念が、この弱材料を上回った形だ。