Story
原油先物、3週ぶり週足上昇へ 中東の供給不安が需要懸念を上回る

Summary
中東の地政学的リスクの高まりを背景に、原油価格は3週間ぶりに週間での上昇を記録する見通し。主要機関による需要見通しの引き下げが重しとなる一方、ホルムズ海峡を巡る緊張が供給プレミアムを押し上げている。
原油先物価格は金曜日のアジア時間早朝の取引で安定的に推移しており、3週間ぶりに週間での上昇を記録する見通しだ。イランを巡る情勢緊迫化と中東からの供給途絶リスクが、需要減速への懸念を上回り、相場を支えている。
ホルムズ海峡の緊張が価格を押し上げ
今週、ブレント原油先物と米国産WTI原油先物はともに約4%の上昇となる勢いだ。市場参加者は、中東における供給障害の兆候に対し、地政学的なリスクプレミアムを価格に織り込んでいる。
特に、世界の石油消費量の約20%が通過する要衝ホルムズ海峡の航行権を巡り、米国とイランの間で対立が激化。イランが海峡の完全な管理と商業船舶の通行遮断を主張する一方、米国は船舶の安全な航行を支援していると反論しており、情報が錯綜している。航海データによると、軍事行動への懸念から一部の船舶はすでに同海峡を迂回し始めており、供給不安を煽っている。さらに、イランの支援を受けるイエメンのフーシ派による紅海での商船攻撃も、原油輸送路の混乱リスクを高める要因となっている。
Ad需要見通しの引き下げが上値を抑制
一方で、原油価格の上値は限定的だ。石油輸出国機構(OPEC)や国際エネルギー機関(IEA)といった主要機関が、相次いで今年の石油需要見通しを下方修正したことが市場の重しとなっている。世界経済の減速懸念が背景にある。
また、最新の週間統計で米国の原油在庫が予想外に大幅な増加を示したことも、短期的な供給過剰感につながった。ただし、米国の戦略石油備蓄(SPR)は40年以上ぶりの低水準にまで減少しており、需給バランスの先行き不透明感を強める材料ともなっている。市場は、中東の供給リスクと世界的な需要動向をにらみながら、方向性を探る展開が続くとみられる。