Story
キオクシア株がストップ安、AIブーム懸念で半導体セクターに売り

Summary
半導体メモリ大手のキオクシアホールディングスの株価がストップ安まで急落。AI投資ブームの持続可能性に対する懸念が世界の半導体市場を揺るがし、同社株に売りが殺到した。
Text size
Background
NAND型フラッシュメモリ大手のキオクシアホールディングスの株価が28日、18.3%安の44,550円まで急落し、ストップ安(値幅制限の下限)で取引を終えた。AI(人工知能)投資ブームが持続不可能な財務基盤の上に成り立っているとの懸念から、世界の半導体市場全体に売りが広がったことが背景にある。
背景:AIブームへの懸念が半導体株を直撃
世界的な半導体株売りの引き金となったのは、AI半導体の巨人である米エヌビディア(Nvidia)が、主要なAI顧客向けに巨額の融資を裏で支えている可能性が報じられたことだ。いわゆる「循環」的な資金調達の仕組みへの懸念が、AIサプライチェーン全体の信頼性を揺るがし、投資家心理を急速に悪化させた。
この報道を受け、メモリチップメーカーは売り浴びせの矢面に立たされた。特にキオクシアは、前日の米国市場で同業のサンディスク(SanDisk)の株価が11%以上下落したことを受け、東京市場の取引開始と同時に連れ安の展開となった。
キオクシアへの複合的な逆風
Ad市場全体の地合い悪化に加え、キオクシアには個別の悪材料も重なった。
- 中国の技術的進展: 中国の政府系企業が、国産の液浸DUVリソグラフィ装置の生産を開始したと報じられた。これにより、NANDメモリ市場での競争が激化し、キオクシアのような既存メーカーの価格決定力や利益率が損なわれるとの警戒感が強まった。
- アジア市場の全面安: この日の東京株式市場では日経平均株価が一時3,000ポイント以上下落し、約2カ月ぶりの安値を付けるなど、約4%の大幅安となった。韓国総合株価指数(KOSPI)も急落し、取引が20分間停止されるサーキットブレーカーが発動。サムスン電子やSKハイニックスといったメモリ大手も大幅に下落した。
AI関連の資金調達懸念、同業他社の株価急落、中国との競争激化、そしてアジア市場全体の暴落という複合的な要因が重なり、キオクシアは同日の東証プライム市場で値下がり率トップとなった。数週間前に付けた史上最高値の112,700円からの急反転は、市場のセンチメントが劇的に変化したことを示している。