Story
ケリング株が急騰、グッチ復調の兆しで12四半期ぶり増収

Summary
高級ブランドグループのケリングが発表した2026年上半期決算が市場予想を上回り、株価が11%以上急騰。中核ブランド「グッチ」の売上減少幅が大幅に縮小したことが好感され、アナリストの投資判断引き上げも相次いだ。
フランスの高級ブランドグループ、ケリング(KER.PA)の株価が29日の取引で11.6%高の279.6ユーロまで急騰した。28日の市場取引終了後に発表された2026年上半期決算で、中核ブランド「グッチ」の復調の兆しが示され、12四半期ぶりに増収に転じたことが投資家から好感された。
26年上半期決算、グッチの回復が鮮明に
ケリングが発表した2026年上半期(1~6月期)決算は、複数の好材料が示される内容となった。特に注目されたのは、12四半期連続で減少していたグループ全体の売上高が、比較可能ベースで前年同期比1%増の72.2億ユーロとなり、増収に転じた点だ。
事業再生の途上にある中核ブランド「グッチ」の動向が最大の焦点だったが、第2四半期(4~6月期)の売上高の減少率が小幅な1桁台にまで縮小。これは第1四半期から約7パーセントポイントの改善であり、特に米国市場での売上が9%増と好調で、新作ハンドバッグが消費者に受け入れられていることを示した。決算の主な内容は以下の通り。
- 2026年上半期売上高: 72.2億ユーロ(比較可能ベースで前年同期比1%増)
- 第2四半期売上高: 36.5億ユーロ(アナリスト予想を上回る)
- 営業利益率: 12.8%(前年同期比40ベーシスポイント上昇)
- 純有利子負債: 2025年末から47億ユーロ減少
アナリストの評価引き上げも追い風
Adこの決算内容を受け、複数の証券会社がケリングの投資判断を相次いで引き上げた。HSBCは投資判断を「ホールド」から「バイ」に、目標株価を340ユーロに引き上げた。7月中旬に店頭に並んだグッチの「Primavera」コレクションが短期的な売上増の起爆剤になると指摘している。
また、バークレイズも投資判断を「アンダーウェイト」から「イコールウェイト」に、目標株価を300ユーロに引き上げ、事業再生が軌道に乗っているとの確信を深めていることを理由に挙げた。市場予想を上回る決算とアナリストによる格上げが重なったことで、買い注文が膨らんだ形だ。
市場への影響
この日の欧州株式市場は、銀行セクターなどの決算発表が相次ぐ中で全体としてはほぼ横ばいで推移しており、ケリングの株価上昇はCAC 40指数の中でも際立った動きとなった。週初には競合のLVMHが第2四半期の増収加速を発表しており、高級ブランドセクター全体に良好な地合いが形成されていたことも背景にある。今回のケリングの決算は、待望されていた増収への回帰、グッチの明確な回復軌道、利益率の改善、そして財務体質の強化が複合的な好材料となり、株価を押し上げる強力なカタリストとなった。