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イラン、湾岸の米軍拠点を攻撃 停戦崩壊で中東の緊張再燃

イラン軍は9日、米国の空爆に対する報復として、湾岸諸国に駐留する米軍のインフラを攻撃したと発表した。3週間にわたる停戦は事実上崩壊し、殺害された最高指導者ハメネイ師の埋葬式典が行われる中、中東地域の地政学的リスクが再び急激に高まっている。
報復の応酬、停戦は事実上崩壊
イラン国営メディアによると、イラン軍はクウェートの米軍パトリオットシステム、カタールの早期警戒施設、バーレーンの米陸軍燃料貯蔵庫を攻撃した。革命防衛隊はその後、米軍が使用するヨルダンのアズラック空軍基地などに対し、弾道ミサイル10発を発射したと発表している。
これに先立ち、米中央軍は8日から9日にかけて、イランの防空システム、沿岸監視施設、ミサイル・ドローン貯蔵庫など約90カ所の軍事目標を攻撃したと発表。トランプ米大統領は、タンカーへの攻撃に対する報復であるとし、停戦は「終わった」と宣言した。一方で、別の米政府高官は「技術的な協議は継続している」と述べ、外交努力の余地も示唆している。
市場の動揺とホルムズ海峡の緊張
この軍事衝突の激化を受け、世界のエネルギー供給が滞るのではないかとの懸念から、原油価格は一時急騰したものの、その後反落した。紛争前には世界の石油供給量の約5分の1が通過していたホルムズ海峡の航行が、再び焦点となっている。
Adイランの革命防衛隊は、米国の介入が海峡の再開を妨げていると非難し、「海峡の再開はイランの管理下でのみ行われる」と主張。これに対し米軍は、5月上旬以降、800隻以上の商船と3億8000万バレルの原油の海峡通過を支援したとし、イランが同海峡を支配しているとの見方を否定している。
背景:最高指導者の埋葬と米国の内政
今回の緊張激化は、2月28日の米・イスラエルによる空爆で殺害されたイランの最高指導者アリ・ハメネイ師の埋葬と時期が重なった。この空爆が、数カ月にわたる紛争の引き金となった。
米国では、ガソリン価格の高騰と紛争への国民の不満が高まる中、今年後半に中間選挙を控えており、トランプ大統領は難しい立場に置かれている。カタールやトルコ、オマーンなどは、さらなる軍事エスカレーションを避け、外交的解決に戻るよう呼びかけている。