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イラン、米軍拠点を攻撃 報復の応酬で中東緊張が再燃

イラン軍は9日、米国の空爆に対する報復として、クウェート、カタール、バーレーンなど湾岸諸国に駐留する米軍のインフラを攻撃したと発表した。これにより、3週間にわたって維持されていた停戦は事実上崩壊し、中東における地政学的リスクが急激に高まっている。
報復の応酬、停戦は事実上崩壊
イラン軍の発表によると、攻撃対象にはクウェートのパトリオットミサイルシステム、カタールの早期警戒施設、バーレーンの米軍燃料貯蔵庫などが含まれる。クウェートは巡航ミサイルや弾道ミサイル、ドローンを迎撃したと発表。ヨルダンでもイランから発射されたミサイルが検知され、8発が迎撃されたと国営通信社は報じている。
今回の攻撃は、米軍がイランの南部沿岸および東部諸州に対して行った空爆への報復措置である。米中央軍は8日、イランによるタンカー攻撃への報復として、防空システムやミサイル貯蔵施設など、イランの軍事目標約90カ所を攻撃したと発表していた。イラン国営メディアは、この米国の攻撃で14人が死亡、78人が負傷したと伝えている。
一連の軍事衝突は、今週初めに発生した船舶への攻撃によって停戦が破られたことに端を発する。トランプ米大統領は停戦は「終わった」と宣言しており、報復の連鎖が止まらない状況となっている。
市場の動揺とホルムズ海峡の緊張
この紛争激化は、世界のエネルギー供給に深刻な影響を及ぼす可能性がある。紛争の舞台となっているホルムズ海峡は、戦前には世界の石油供給の約5分の1が通過する海上交通の要衝である。
Adイランの革命防衛隊は、同海峡の通航はイランの管理下でのみ再開されるとし、通航船舶数は戦前の50%程度に回復したと主張。米国によるいかなる介入も「壊滅的な対応」を招くと警告している。一方、米軍はイランが海峡を支配しているとの見方を否定し、5月上旬以降、800隻以上の商船の通航を支援したと反論している。
この緊張の高まりを受け、原油価格は供給寸断への懸念から一時急騰したが、その後反落するなど不安定な値動きを見せている。市場は中東情勢の緊迫化が世界経済に与える影響を注視している。
故最高指導者の埋葬と外交の動き
軍事的緊張が高まる中、イランでは2月28日の空爆で殺害されたハメネイ最高指導者の埋葬式が執り行われた。式典には大規模な群衆が集まり、反米のスローガンが叫ばれた。
米国では、ガソリン価格の高騰と長引く紛争への不満が広がる中、トランプ大統領は今年後半の中間選挙を控えて難しい立場に置かれている。米政府高官の一人は、戦闘が続く中でもイランとの「技術的な協議は継続している」と述べており、外交努力の道も完全には閉ざされていないことを示唆した。カタール、トルコ、オマーンなども、さらなる軍事エスカレーションを避け、外交的解決に戻るよう呼びかけている。