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イラン、米軍施設への攻撃を湾岸全域に拡大 ホルムズ海峡の封鎖を宣言

イランは12日、米国の報復攻撃に対抗し、カタールやアラブ首長国連邦(UAE)など湾岸諸国に点在する米軍関連施設へのミサイルおよびドローン攻撃を拡大した。ロイター通信によると、イランは世界のエネルギー供給の要衝であるホルムズ海峡を再び封鎖したと発表し、中東における軍事的緊張が急速に高まっている。
攻撃の応酬とホルムズ海峡の封鎖
イランは、これまで比較的安全と見なされてきた地域にも攻撃を広げた。停戦交渉の仲介役を担っていたカタールや、5月上旬以降は標的とされていなかったUAEも攻撃対象となった。両国はイランからのミサイルやドローンを迎撃したと発表している。
これに先立ち、イランは許可なく航行していた船舶1隻に警告射撃を行い、ホルムズ海峡を封鎖したと発表。12日には2隻目の船舶を航行不能にしたとしている。インド政府は、オマーン沖でコンテナ船「GFS Galaxy」が攻撃され、インド国籍の船員1人が行方不明になったと発表した。
イランが新設した「ペルシャ湾海峡庁」は、「地域の米軍による最近の違法な動き」を理由に、海峡の通航は現在不可能だと声明を出した。安定が回復次第、許可証を発行するとしている。
米国の対応と市場への影響
Ad一方、米中央軍(CENTCOM)はイランの主張を否定。「イランは海峡を支配していない。交通は流れている」とし、オマーン沖の「拡張された」南側ルートが利用可能であると航行者に通達している。また、米軍は過去3日間で300以上、11日だけで140のイラン軍事目標を攻撃し、「イランの攻撃能力を低下させる」ための作戦を継続していると発表した。
この紛争は、世界の原油および液化天然ガス(LNG)輸送量の約5分の1が通過するホルムズ海峡を事実上封鎖状態に陥らせ、エネルギー価格を高騰させている。これは世界的なインフレを助長する要因となっており、11月の米議会選挙を控えるトランプ大統領にとって政治的に敏感な問題となっている。
背景:暫定合意の崩壊
今回の事態は、先月締結された米・イラン間の暫定合意の将来に深刻な疑念を投げかけている。この合意は、60日間の追加交渉を経て海峡を再開し、紛争を終結させることを目指していた。しかし、トランプ大統領は先週、この停戦は終わったとの認識を示していた。
イランの交渉責任者であるモハンマド・バーゲル・ガーリバーフ氏は12日、X(旧Twitter)に「一方的な取引の時代は終わった。約束を守るか、代償を払うかだ」と投稿。合意を巡る両国間の不信感が、今回の軍事衝突の激化につながった可能性を示唆している。