Story
IBM株が時間外で下落、スターバックスのAI内製化が響く

米IBMの株価が時間外取引で3.5%下落した。大手顧客であるスターバックスが、IBMの保守管理システムを自社開発のAI搭載ツールで代替する計画を明らかにしたことが嫌気された。
スターバックスの「IBM離れ」
Investing.comが報じたところによると、コーヒーチェーン大手のスターバックスは、全社的な20億ドルのコスト削減策の一環として、すべての技術関連契約を見直している。同社はソフトウェアに年間約4億ドルを費やしており、今回の動きはその中心となるものだ。
スターバックスは、IBMのシステムを代替する内製ツールの一部が、テスト結果次第で来年末までに稼働する可能性があると示唆した。このニュースは、既存のソフトウェアベンダーとの契約を更新する代わりに、AIを活用して独自のソリューションを構築する企業が増えるのではないかという、市場に存在する懸念を増幅させた。
市場の懸念とマクロ環境
この一件は、企業によるAI導入が、IBMのような既存ベンダーの市場を拡大させるのではなく、むしろ侵食(カニバリゼーション)する可能性があるという、より広範な不安を具体化させた。投資家は、IBMの企業向けソフトウェア市場における競争上の立ち位置に改めて注目している。
Adさらに、IBMが7月22日に2026年第2四半期決算の発表を控えていることも、売り圧力に拍車をかけている。アナリストは1株当たり利益(EPS)を約3.02ドル、売上高を約178.9億ドルと予想しているが、投資家は決算内容を見極めたいとの姿勢から、発表前のポジション構築に消極的になっている。
ポジティブ材料と市場の地合い
一方で、IBMは最近、Red Hat社と共同でオープンソースの脆弱性修正プラットフォーム「Lightwell」を発表したほか、バンク・オブ・アメリカが目標株価を330ドルに引き上げ、「買い」のレーティングを維持するなど、好材料も存在する。
しかし、前日の市場では米・イラン間の緊張激化などを背景にダウ工業株30種平均が1.1%下落するなど、リスクオフの地合いが強まっていた。特定の顧客離れというネガティブなニュースと、不安定なマクロ経済の背景が重なり、IBM株への売りを誘う格好となった。