Story
フーシ派、紅海でサウジの石油タンカー2隻への攻撃を主張 新たな供給路リスクが浮上

Summary
イランが支援するイエメンのフーシ派が、紅海でサウジアラビアの石油タンカー2隻を攻撃したと発表。ホルムズ海峡の緊張に加え、新たな海上輸送の要衝が脅かされ、原油供給への懸念が強まっている。
イランと連携するイエメンの武装組織フーシ派は22日、紅海でサウジアラビアの石油タンカー2隻に対し軍事攻撃を行ったと発表しました。これは、イランがホルムズ海峡の支配を試みる動きと連動し、世界の石油供給における第二の要衝を脅かすものであり、地政学的リスクを一段と高めています。
攻撃の詳細
フーシ派は、紅海を航行中のサウジの石油タンカー「エンセリア(Encelia)」と「レイラ(Layla)」をミサイルとドローンで攻撃したと主張しています。海上警備筋によると、エンセリアは22日遅く、サウジの港ジザン近海でミサイル攻撃を受けたと救難信号を発信しました。英国の海事リスク管理会社Vanguardも、サウジ船籍の同タンカーが未確認の飛翔体による攻撃を受けたと報告しています。一方で、レイラへの攻撃は現時点で確認されていません。
この事態を受け、紅海では少なくとも5隻のタンカーが22日に、またサウジから中国やインドへ向かっていた3隻が21日に、危険海域であるバブ・エル・マンデブ海峡を避けるため航路を変更する動きが見られました。
市場への影響と地政学的リスク
今回の攻撃は、世界のエネルギー市場にとって深刻な意味を持ちます。多くのサウジ産原油は、既に緊張下にあるホルムズ海峡を迂回するため、紅海沿岸のヤンブー港から輸出されています。しかし、その紅海南端のバブ・エル・マンデブ海峡の航行が脅かされれば、この代替ルートも機能不全に陥る恐れがあります。
Adそうなった場合、残された航路はスエズ運河を経由する北回りルートのみとなり、輸送には数週間の遅延と追加コストが発生します。これは原油価格をさらに押し上げ、世界的なインフレ圧力を強める要因となり得ます。フーシ派によるサウジへの「海上封鎖」の宣言は、紛争の大幅な拡大につながる可能性をはらんでいます。
激化する米・イランの対立
この攻撃は、米国とイランの間で激化する対立を背景に発生しています。ロイター通信によると、米軍はトランプ大統領の指示に基づき、イランに対する空爆を12夜連続で実施しています。トランプ大統領は、イランがホルムズ海峡で船舶を攻撃するたびに、イランのインフラを破壊すると警告しています。
一方、イラン革命防衛隊はホルムズ海峡が自らの管理下にあり「完全に封鎖されている」と主張。イランの調整なしにタンカーの通航は許可しないと警告しており、中東全域で軍事的緊張が極度に高まっています。