Story
ゴールドマン・サックス、アテネで投資家会合開催 ギリシャ大手銀が成長戦略を強調

Text size
Background
ゴールドマン・サックスが9月7日から8日にかけてアテネで投資家向け視察会を開催し、ギリシャの主要銀行経営陣との会合を設けた。この会合は、ギリシャ経済の回復と銀行セクターの成長見通しに対する国際的な関心の高まりを浮き彫りにした。
ギリシャ経済の持続的成長が追い風に
今回の視察会には、ユーロバンク、ギリシャ国立銀行、ピレウス銀行、キプロス銀行、アルファ銀行の経営陣に加え、ギリシャ経済・財務省が参加した。同行した経済・財務省の経済諮問評議会議長は、公共投資プログラムや観光業以外へのセクター多角化に支えられ、ギリシャの成長軌道は持続可能であると強調した。このマクロ経済の安定が、銀行セクターの事業環境を支える重要な要素と見られている。
各行の経営戦略と財務見通し
会合に参加した各行は、それぞれの強みと今後の戦略について投資家に説明した。特に、資本の健全性と収益性の向上に焦点が当てられた。
Ad- ユーロバンク: 他の欧州諸国と比較してギリシャとブルガリアには依然として大きな投資ギャップが存在すると指摘。法人向け融資のスプレッドは縮小傾向にあるが、そのペースは鈍化しているとの見方を示した。また、論理的なM&Aの機会を模索していると述べた。
- ギリシャ国立銀行: 経済の様々な分野で長年の投資不足があったことを背景に、欧州復興強靭化ファシリティ(RRF)が終了しても融資需要が急減することはないとし、中期的に持続可能な融資成長に自信を示した。融資の質を重視する姿勢を強調した。
- ピレウス銀行: 事業の資本創出能力を強調し、普通株式等Tier1(CET1)比率が2026年通期目標の約13%を上回る見通しであることを示した。コスト効率の改善を最優先事項とし、2030年までに経費率約30%を目指す目標を改めて表明した。
- キプロス銀行: キプロス経済の強靭性をアピール。平均付利約27ベーシスポイントという低コストの預金基盤が強みであると説明した。高いCET1比率が戦略的な選択肢をもたらしていると述べた。
- アルファ銀行: ビジネスモデルの強靭性を高めることに注力しており、同業他社を上回るペースでの1株当たり利益(EPS)の成長を目指すと表明。11月5日にインベスターデーを開催する予定。
投資家への示唆
ゴールドマン・サックスによる今回の投資家向け会合は、ギリシャの金融セクターが過去の危機を乗り越え、新たな成長段階に入ったことへの国際的な信頼感の表れと解釈できる。各行が単なる規模の拡大ではなく、資本効率、コスト管理、融資の質の高さを通じた持続的な収益成長を重視している点は、投資家にとってポジティブな材料と言えるだろう。安定したマクロ経済見通しと相まって、ギリシャの銀行株への関心が今後さらに高まる可能性がある。