Story
金・プラチナ比価が上昇、FRBの利上げ観測後退と工業需要への懸念が交錯

Summary
金価格がFRBの利上げ停止観測を背景に上昇する一方、プラチナは利益確定売りと自動車需要への懸念から下落。この相反する動きが金とプラチナの価格差を広げ、比価を2.5台まで押し上げました。
金とプラチナの価格比を示す金・プラチナ比価(XAU/XPTレシオ)が当日の取引で1.3%上昇し、2.5264に達しました。金融政策への期待感から金が買われる一方、プラチナは工業需要への懸念から売られ、両貴金属の価格が対照的な動きを見せたことが背景にあります。
金は利上げ観測後退で続伸
金価格は3営業日続伸しました。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の会合で金利を据え置くとの見方が強まっています。これにより、利息を生まない資産である金を保有する機会費用が低下するとの期待が、金価格を押し上げる要因となりました。
投資家は、今後発表される連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨や、ジャクソンホール会議でのFRB議長の講演を、金融政策の方向性を見極めるための重要な材料として注視しています。また、当日はS&P 500が0.6%、ナスダックが1.3%下落するなど株式市場が軟調に推移し、リスクオフムードが安全資産としての金の魅力を高めました。
プラチナは利益確定売りと需要懸念が重し
Ad一方、プラチナはここ数週間の上昇を受けて利益確定売りに押されました。短期トレーダーが、主要な技術的抵抗水準を前に投機的な買いポジションを解消する動きが見られました。
さらに、自動車需要の鈍化や、プラチナを触媒とする排気ガス浄化装置を必要としない電気自動車(EV)の普及加速に対する懸念も、短期的な売り圧力につながっています。ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)が2026年の構造的な供給不足を予測していることは下支え要因ですが、目先の懸念が上回る形となりました。
市場への影響
このように、FRBの利上げ停止観測や安全資産需要を背景とする「金買い」と、利益確定売りや工業需要への不安を背景とする「プラチナ売り」という相反する力が、金・プラチナ比価を押し上げる主な要因となりました。同レシオは当日の始値2.4936から大きく上昇し、一時2.5308の高値を付けています。これは、現在の市場環境において、金の金融資産としての側面が、プラチナの工業用素材としての側面よりも強く意識されていることを示唆しています。