Story
金価格は横ばい、FRBの政策見通しと中東リスクを市場が注視

Summary
金相場は小幅高で推移。中東の地政学的リスクが安全資産需要を支える一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な金融政策見通しが上値を抑え、方向感に乏しい展開となっている。
金価格は火曜日の取引で小幅に上昇し、1オンス4,050ドル台前半で推移している。市場参加者は、中東の地政学的緊張と、米国の金融政策の方向性を左右する可能性がある主要な労働市場指標の発表を前に、双方の要因を慎重に見極めている。
東部時間午後8時50分(グリニッジ標準時午前0時50分)時点で、金現物(XAU/USD)は0.1%高の1オンス=4,057.95ドル、金先物は0.6%高の4,113.67ドルで取引されている。
地政学的リスクとFRBのタカ派姿勢が交錯
現在の金相場は、相反する材料によって狭いレンジ内での取引が続いている。米国とイラン間の対立再燃やオマーン近海でのタンカー攻撃を受け、ブレント原油価格が7月に20%以上急騰。原油高はインフレ再燃懸念を強め、米連邦準備制度理事会(FRB)が引き締め的な金融政策を維持するとの見方を後押ししている。
地政学的な不透明感も高まっている。イランは月曜日、米国との交渉は現在行われておらず、会談の予定もないと発表し、外交交渉が間近であるとしたトランプ米大統領の発言を否定した。このような安全資産への需要を高める要因がある一方で、FRBのタカ派姿勢が金の上値を抑えている。主要通貨に対するドルの強さを示すドルインデックスは100近辺でほぼ横ばいとなっており、金相場への新たな方向性は示していない。
市場の焦点は米雇用統計へ
Ad市場の関心は、今週発表される一連の米労働市場データ、特にADP民間雇用者数と金曜日の非農業部門雇用者数(NFP)に移っている。これらの指標は、FRBが年内に再利上げに踏み切る必要があるかどうかを判断する上で重要な手がかりとなる。
先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを主張し反対票を投じた3人のFRB高官や、ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁によるタカ派的な発言は、政策金利がより高く、より長く維持される(higher-for-longer)との市場の観測を強めている。
テクニカル分析と今後の見通し
IGのシニア市場アナリスト、トニー・シカモア氏は、金価格が過去1ヶ月間、約4,000ドルから4,200ドルのレンジ内で横ばいの動きを続けていると指摘。同氏は、本格的な回復基調を確認するためには、まず4,080ドル付近の技術的な抵抗線を突破し、次に7月上旬の高値である4,202ドルを超える必要があるとの見方を示した。
これらの水準を継続的に上回れば、200日移動平均線がある4,490ドル近辺への上昇の道が開かれる可能性がある。しかし、それまでは、6月下旬の安値である3,942ドルを再び試すリスクが依然として優勢であり、最近の安定にもかかわらず市場の確信が欠けていることを示唆している。