Story
中東緊迫で原油100ドル迫る、FTSE100など欧州株は反落

9日の欧州株式市場は反落して始まった。中東における米国とイランの軍事衝突が激化し、原油価格が1バレル=100ドルの大台に迫ったことで、投資家心理が悪化した。
中東情勢の緊迫化と原油高
米中央軍(CENTCOM)は、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が米海軍の軍艦に対し弾道ミサイルを2度発射したことを受け、イランの原油タンカー5隻を破壊したと発表した。IRGC側は、ホルムズ海峡で米国の船舶2隻、石油タンカー8隻などを標的にしたと主張している。
この軍事衝突を受け、原油供給への懸念が市場で一気に高まった。日本時間9日午前の取引で、国際的な指標である北海ブレント原油先物は2.1%上昇し99.97ドルに、米国産WTI原油先物も1.71%上昇し94.64ドルを付けた。ホルムズ海峡を通過した商品輸送船は8日時点でわずか6隻となり、過去10日平均の12隻を大幅に下回っている。
市場への影響
地政学リスクの高まりは、株式市場からの資金流出を招いている。市場の主な動きは以下の通り。
Ad- 欧州株式: 英国のFTSE100指数は0.28%安、ドイツのDAX指数は0.52%安、フランスのCAC40指数は0.70%安となった。
- 安全資産: リスク回避の動きから金が買われ、金スポット価格は1.14%上昇した。
- 為替: 英ポンドは対ドルで0.19%上昇し、1ポンド=1.3567ドルで推移している。
INGのストラテジストは「最近の動向は、交渉再開にはまだ程遠いという見方を強めるだけだ」と指摘し、市場は「相当なリスクプレミアムを織り込み続ける可能性が高い」との見方を示した。
今後の見通し
ジェフリーズのモヒト・クマール氏は「中東の緊張が引き続き市場を支配している」と分析。一方で、ブレント原油が100ドルに近づくことは「トランプ(米大統領)が取引に前向きになるほどの『痛みを伴う水準』に達しているという楽観論を呼ぶ可能性もある」とコメントした。
ロイター通信は、オマーンとイランが数日内にホルムズ海峡を通る一時的な輸送回廊を設置する見込みだと報じているが、現時点では不透明感が強い。投資家は、インフレ圧力の再燃につながりかねない原油価格の動向と、中東情勢のさらなるエスカレーションを注視している。