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欧州株下落、イラン情勢緊迫で原油続伸 ECB利上げ観測も重し

8日の欧州株式市場は下落した。イランを巡る地政学的リスクの高まりを背景に原油価格が続伸したことに加え、欧州中央銀行(ECB)による利上げがほぼ確実視されており、スタグフレーション(景気後退下の物価高)への懸念が再燃した。
汎欧州株価指数のSTOXX 600は0.2%下落。ドイツのDAX指数とロンドンのFTSE 100指数がそれぞれ0.2%安、フランスのCAC 40指数は0.4%安となるなど、主要市場は軒並み値を下げた。
イラン情勢緊迫で原油価格が急伸
原油価格は3営業日続伸し、北海ブレント原油は1バレル90ドル台を固める展開となった。イラン軍関係者が、米国やその同盟国によるさらなる攻撃に対し、ペルシャ湾全域のエネルギーインフラ、特に同地域で操業する米国の石油・ガス資産を直接標的にして報復すると警告したことが、価格上昇の新たな材料となった。
ホルムズ海峡周辺での輸送のボトルネックに加え、地域のエネルギー施設が直接攻撃される可能性が浮上したことで、市場の懸念は一時的な輸送の遅れから、長期的な構造的供給破壊のリスクへとシフトしている。エネルギー輸入への依存度が高い欧州経済にとって、原油高はコストプッシュ型インフレを誘発し、企業収益を圧迫する恐れがある。
ECBの利上げ観測が株価を圧迫
Adエネルギー価格の高騰に加え、今週木曜日に予定されているECB理事会を前に、金融引き締め観測が株式市場の重荷となっている。金融市場では、ECBが今回25ベーシスポイントの利上げを決定することがほぼ完全に織り込まれている。
この背景には、8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値で、エネルギー価格の14.3%の急騰を主因に、総合インフレ率が前年同月比3.3%に加速したことがある。エネルギー価格のさらなる上昇を受け、ドイツ銀行などの投資銀行は9月以降の追加利上げの可能性を指摘し始めている。こうしたタカ派的な見通しを受け、指標となるドイツ10年物国債利回りは複数年ぶりの高値圏である3.36%近辺で推移しており、株式のリスクプレミアムを低下させている。
市場の焦点は米国のインフレ指標へ
ECBの金融政策決定に加え、市場参加者は今週後半に発表される米国の消費者物価指数(CPI)を注視している。先週発表された8月の米非農業部門雇用者数が16万2000人増と予想外の強さを示したことを受け、今回のCPIは米連邦準備制度理事会(FRB)が9月15~16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するかどうかを占う最後の重要指標と見なされている。インフレの高止まりが示されれば世界的に金利上昇圧力が強まる一方、鈍化の兆しが見えれば、売り込まれている株式市場に一時的な安堵感をもたらす可能性がある。