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欧州天然ガス、1週間ぶり安値に続落 米・イラン対話の可能性で地政学リスク後退

Summary
28日の取引で欧州の卸売天然ガス価格が続落し、1週間ぶりの安値を付けた。米国とイランの外交的進展への期待から地政学リスクプレミアムが剥落し、原油価格の下落も重しとなった。
欧州の卸売天然ガス価格は28日、続落して1週間超ぶりの安値を付けた。米国とイランの間の緊張緩和を示唆する動きや、原油市場の下落を背景に、地政学的なリスクプレミアムが後退したことが主な要因となっている。
価格動向と市場の反応
欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTFの期近物は、28日午前の取引で3%下落し、1週間超ぶりの低水準となった。英国の卸売ガス価格も同様に3%下落し、エネルギー市場全体で2営業日連続の売り圧力が続いている。
この動きは、世界の原油市場と連動している。国際的な原油価格の指標であるブレント原油も、1週間超ぶりの安値水準まで下落した。
地政学リスクの緩和
市場心理を動かしたのは、トランプ米大統領がイランと「良好な対話」を行っていると述べ、中東での軍事的緊張が外交的に解決される具体的な可能性があると示唆したことだ。この発言を受け、ホルムズ海峡や紅海における供給ルートの混乱懸念が一時的に和らいだ。
Adこれにより、欧州の輸入ターミナルに向かう液化天然ガス(LNG)タンカーの大幅な遅延に対する市場の恐怖感が後退した。ただし、トランプ大統領は交渉が決裂した場合には軍事攻撃を再開するとも付け加えており、これがエネルギー価格の急激な下落を抑制する要因となっている。
欧州の貯蔵状況と今後の見通し
現在、欧州の地下ガス貯蔵施設の貯蔵率は約54%にとどまっており、季節的な標準値を下回っている。ノルウェーのエクイノールなど主要供給業者は、欧州連合(EU)が冬入り前の補充目標を達成するのは困難との見方を示している。
当面の間、天然ガスと原油価格の下落は、欧州の企業や家計の光熱費負担を軽減する一時的な安心材料となる。また、主要中央銀行が今週後半に金融政策決定を控える中、広範なインフレ圧力を緩和する効果も期待される。