Story
欧州天然ガス、利益確定で反落 冬季の供給不安が下値を支える

Summary
30日の欧州天然ガス先物市場は、利益確定売りに押されて下落した。しかし、天然ガス貯蔵率が低水準にとどまっていることから、冬の暖房シーズンに向けた供給懸念が根強く、価格の下値は限定的となっている。
30日の欧州卸売天然ガス価格は、直近の急騰を受けた利益確定の動きや、安定した液化天然ガス(LNG)の到着を背景に反落した。しかし、中東での緊張や域内の低い貯蔵水準が、価格の下落圧力を抑制している。
利益確定売りが優勢に
欧州のガス価格指標であるオランダTTFの期近物は、30日午前の取引で1.44%下落し、心理的節目である60ユーロを下回る59.49ユーロ/MWhで取引された。英国のガス卸売価格も1.56%安の143.80ペンス/サーマルユニットとなった。
今週の価格は、イラクでの米・サウジ共同攻撃とその後のイランによるミサイル発射を受け、原油とともに急騰していた。30日は、トレーダーがこの上昇分を利益確定する動きが優勢となった。ノルウェーからのパイプライン供給が定期メンテナンスを終えて安定していることや、米国産LNGがアジア市場から欧州へ継続的に流入していることも、短期的な供給逼迫感を和らげた。
低水準のガス貯蔵が下値を支持
Ad日中の価格は下落したものの、市場アナリストは欧州の天然ガスを巡る全体的な見通しが依然として不安定であると警告している。欧州連合(EU)域内の地下ガス貯蔵施設の貯蔵率は現在約55%にとどまっており、これは過去5年間の季節平均を大幅に下回っている。
11月1日に始まる暖房シーズンを前に、冬季の需要を賄うための在庫積み増しのペースとしては遅れており、供給不安が根強い。この状況が、ガス価格の強力な下値支持要因となっている。
市場の見通し
ホルムズ海峡における輸送リスクなど中東の地政学的緊張がエネルギー市場の警戒感を高めている。短期的な供給は安定しているものの、根本的な貯蔵不足が解消されていないため、欧州のガス市場では夏を通じてボラティリティの高い状況が続くと予想されている。