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イーライリリー、最大38億ドルでアタイベックリーを買収 サイケデリック治療薬市場に参入

Summary
米製薬大手イーライリリーは、最大38億ドルでアタイベックリーを買収すると発表した。これにより、同社はうつ病などを対象としたサイケデリック治療薬の開発競争に本格参入する。
米製薬大手イーライリリーは16日、サイケデリック(幻覚剤)をベースとした治療薬を開発するアタイベックリーを最大38億ドルで買収することで合意したと発表した。大手製薬会社の間で関心が高まる精神疾患治療の新たな分野に本格参入する。
買収の概要と目的
買収契約によると、イーライリリーはアタイベックリーの株式1株あたり6.75ドルを現金で支払う。これは前日終値に対して約26%のプレミアムとなる。買収総額は、28億ドルの前払い金と、開発の進捗に応じた最大10億ドルのマイルストーン支払いで構成される。
この買収により、イーライリリーはアタイベックリーが後期開発段階にある主力候補薬「BPL-003」を獲得する。BPL-003は、標準的な治療法では改善が見られない重度のうつ病である治療抵抗性うつ病を対象とした点鼻スプレー薬。
イーライリリーの神経科学部門プレジデントであるキャロル・ホー氏は、「何百万人もの人々が依然として救いを求めており、効果のある治療法を切実に必要としています」と述べた。買収は第3四半期に完了する見込みだとしている。
市場の背景と各社の動向
Adこの発表を受け、アタイベックリーの株価は時間外取引で30%以上急騰した。近年、大手製薬会社によるサイケデリック治療薬への関心は高まっている。背景には、米国政府が特定のサイケデリック治療薬の審査迅速化を指示し、関連研究への連邦資金を増額するなど、開発を後押しする動きがある。
昨年には、アッヴィがギルガメッシュ・ファーマシューティカルズからサイケデリックをベースとした開発中のうつ病治療薬を最大12億ドルで取得する契約を結んでいる。今回の買収は、この分野における競争が激化していることを示している。
イーライリリーの戦略的意義
この買収は、イーライリリーにとって神経科学分野のパイプラインを強化する最新の動きとなる。同社は、肥満症治療薬の爆発的な需要によって得た潤沢な資金を、免疫、がん、神経科学といった分野への投資に振り向けている。
BMOのアナリスト、エヴァン・シーガーマン氏は、この買収が「精神医学における差別化されたエクスポージャーを提供し、同社の主力である心血管・代謝領域からの多角化を強化する」と指摘している。イーライリリーは6月にも、睡眠と覚醒を制御する脳システムを標的とする治験薬を獲得するため、センテッサ・ファーマシューティカルズの最大78億ドルでの買収を完了させている。