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米PPI、予想下回る伸びでドル下落 FRBの利上げ観測が後退

米労働省が発表した7月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回る伸びにとどまったことで、インフレ圧力が緩和しているとの見方が強まり、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が後退した。これを受けて外国為替市場ではドルが主要通貨に対して売られる展開となった。
予想を下回ったインフレ指標
米労働省によると、7月の最終需要PPIは前月比で横ばいとなり、市場予想の0.2%上昇を下回った。6月の数値は下方修正され、0.1%の低下だった。前年同月比では4.7%の上昇となり、こちらも市場予想の4.9%上昇や6月の5.5%上昇から伸びが鈍化した。
この結果は、前日に発表された消費者物価指数(CPI)の穏やかな伸びに続くもので、市場ではFRBが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの見方が一段と強まっている。CPI発表後、9月利上げの確率は約40%まで低下していたが、今回のPPIデータはさらにその見方を補強した。
ドル売り優勢、介入警戒感も
インフレ鈍化と利上げ観測の後退を受け、主要6通貨に対するドルの価値を示すドル指数は0.1%下落し、100の大台を割り込んだ。ユーロは対ドルで1.1538ドル付近へ小幅に上昇し、ポンドは1.3500ドル近辺で安定的に推移した。
Ad一方、ドル円は159.23円前後と、約2週間ぶりの安値圏で推移。市場では、今月初めに実施された日米協調介入に続き、両国政府が再び為替介入に踏み切る可能性への警戒感がくすぶっている。
市場の焦点は景気の先行きへ
同時に発表された週間の新規失業保険申請件数は20.9万人と、市場予想(20.2万人)を上回り、労働市場の過熱が和らぎつつある可能性を示唆した。ロイズ・バンクの市場洞察責任者であるサム・ヒル氏は「この状況で9月の利上げを正当化するのは難しい」と指摘している。
しかし、エネルギー価格の高止まりによるスタグフレーション(景気後退下の物価上昇)リスクが、ドルの大幅な下落を抑制している側面もある。ブレント原油価格は地政学的緊張を背景に1バレル89ドル近辺で高止まりしており、石油純輸入国である欧州やアジアでのコストプッシュ型インフレへの懸念が残る。市場の焦点は、今後発表される米国の小売売上高などの経済指標に移り、インフレが鈍化する中で個人消費の底堅さが維持されるかどうかが注目される。