Story
ドル、中東情勢緊迫で上昇後反落 円は年金基金の観測後退で下落

13日の外国為替市場で、ドルは中東情勢の緊迫化を背景に安全資産として一時買われたものの、その後は反落する展開となった。一方、日本の公的年金基金が資産配分を直ちに変更する計画はないとの報道を受け、円が対ドルで下落した。
地政学リスクでドルは乱高下
週末に米国とイランがミサイルやドローンによる大規模な攻撃を交わし、イランがホルムズ海峡の再封鎖を示唆したと報じられた。これを受け、地政学リスクへの懸念から原油価格が急騰し、外国為替市場ではリスク回避の動きからドルが買われる場面があった。
主要6通貨に対するドルの動きを示すドルインデックスは一時0.3%上昇したが、その後は失速し、直近では0.2%安の100.83で推移している。キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋市場責任者、トーマス・マシューズ氏は、ドルが既にかなり上昇しており、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しも織り込み済みであるため、「状況が悪化し続けても、前回ほどドルが上昇するかは不透明だ」と指摘している。
市場の関心は、今週発表される米国の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)、さらにケビン・ウォルシュFRB議長による議会証言に集まっている。
Ad円は急落、GPIFの資産配分変更観測が後退
ロイター通信が、政府が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を含む公的年金基金の資産配分を直ちに変更する計画はないと報じたことを受け、円は対ドルで下落した。ドルは対円で0.2%高の162.05円まで上昇し、約40年ぶりの円安水準に再び近づいたことで、市場では日本当局による為替介入への警戒感が再び高まっている。
この動きは、先週金曜日に片山さつき財務大臣がGPIFなどに国内金融資産への投資を促す方策を検討すると述べたことで、円や日本国債が上昇した流れを覆すものとなった。関係筋によると、政府は既存のポートフォリオの許容範囲内で国内投資を増やす方法を模索しているが、これがGPIFの中期目標の即時見直しにつながるものではないという。
INGのグローバル・マーケット責任者であるクリス・ターナー氏は、為替介入は今週の選択肢となり得るとしながらも、「介入だけでは現在の(円安)トレンドを反転させることはできない」との見方を示した。