Story
ドル、6週間ぶり安値圏で推移 中東情勢の緩和とFRBの引き締め観測が交錯

中東における和平交渉が進展しているとの報道を受け、外国為替市場ではリスク選好ムードが広がり、主要通貨に対するドルは6週間ぶりの安値圏で推移している。しかし、米国の根強い経済指標を背景とした米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢への警戒感も根強く、ドルの下値は限定的となっている。
中東情勢の緩和がドルを圧迫
カタールと米国の仲介により、米国とイランの対立を緩和し、重要なホルムズ海峡の航行の安全を確保するための暫定案が策定されたとの報道が、市場のセンチメントを改善させた。この外交的進展は、国際原油価格を3営業日連続で下落させ、エネルギー輸入国である欧州やアジアの経済にとっては追い風となっている。
安全資産とされるドルは売られ、ドル相場の強弱を示すドルインデックスは0.15%下落し99.58で取引された。ユーロ、英ポンド、日本円などの主要通貨は対ドルでほぼ横ばいで、市場は全体的に落ち着いた動きを見せている。
FRBのタカ派観測が下支え
一方で、ドルの下落幅は抑制されている。米経済の底堅さに加え、市場ではFRBが9月16日の次回会合で25ベーシスポイントの追加利上げに踏み切るのではないかとの懸念がくすぶっているためだ。
市場の焦点は、今後発表される米国の経済データに移っている。特に、水曜日のADP民間雇用統計と金曜日の非農業部門雇用者数が、労働市場の過熱感が十分に和らぎ、FRBの追加利上げを阻止する内容となるかどうかが注目される。
Ad主要通貨の動向
円相場
ドル円は1ドル=157.5円台と小幅に円安で推移しているが、先週の日米両通貨当局による歴史的な協調介入後の水準は維持している。CNBCのインタビューに応じたベッセント米財務長官が、日本の為替安定化に向けた行動を「あらゆる手段を講じて」支持すると改めて表明したことも、介入への警戒感を高め、円相場を支える要因となっている。
新興国通貨
新興国市場では、インド準備銀行(RBI)が政策金利であるレポレートを5.25%に据え置くことを全会一致で決定。これを受け、インドルピーは安定して推移した。RBIは、世界的な不確実性や食料品インフレを指摘する一方、2026-27年度のGDP成長率予測を6.7%に引き上げ、原油価格の下落が対外的な圧力を緩和するとの見方を示した。