Story
アジア通貨はレンジ相場、米債務懸念や地政学リスクが重し ドルは3カ月ぶり安値圏

週明け24日のアジア外国為替市場は、主要通貨が方向感に乏しい展開となった。米国の債務問題への懸念からドルが3カ月ぶりの安値圏で推移しているものの、地政学的なリスクが重しとなり、アジア通貨の上昇は限定的となっている。
ドル安の背景にある米債務問題
ドルは主要通貨バスケットに対するドル指数が98.83近辺と、5月中旬以来の低水準で推移している。先週には約1%下落した。
ドルの重しとなっているのは、米国の債務状況への懸念だ。米財務省は先週、長期国債の流動性改善と長期金利の上昇圧力抑制を目的として、国債買い入れオペの規模を1回あたり40億ドルに倍増すると発表した。
しかし、市場では米連邦政府の債務が40兆ドルを超え、財政赤字が1.8兆ドルに迫っていることへの根強い懸念がある。巨額の国債発行が市場に吸収される必要があり、これが長期金利への上昇圧力となり続けるとの見方がドルを圧迫している。
アジア通貨の上値を抑えるリスク要因
ドル安はアジア通貨にとって追い風となる一方、複数のリスク要因が相場の上値を抑えている。
Ad市場が特に注視しているのは、米国が新たに発表するとみられる対イラン制裁の詳細だ。スコット・ベッセント米財務長官が月曜日に詳細を明らかにするとみられており、イラン産原油の輸出がさらに制限され、世界のエネルギー供給が引き締まるとの懸念が浮上している。この発表を前に、原油価格は1バレル1ドル以上下落した。
また、米・カナダ間の貿易交渉が決裂し、米国が200億ドル相当のカナダ製品に50%の関税を課したことも、世界的な貿易摩擦への警戒感を高めている。カナダも報復関税を発表しており、投資家心理を冷やす要因となっている。
主要通貨の動向と今後の注目点
個別の通貨では、ドル円(USD/JPY)が0.1%下落し159円を割り込んでいる。市場では、日本銀行の氷見野良三副総裁の発言から金融政策の手がかりを探ろうとする動きが見られる。
その他のアジア通貨は、人民元(USD/CNY)やインドルピー(USD/INR)が横ばい圏で推移した一方、韓国ウォン(USD/KRW)は0.3%下落した。豪ドル(AUD/USD)も0.1%安となっている。
投資家は今週予定されているNvidiaの決算発表や、ジャクソンホール会議でのケビン・ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長による講演を待っている。これらは、世界的なリスク選好度や米国の金利見通しに関する新たな手がかりとなるとみられている。