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ASML株が急落、中国での国産DUV露光装置の量産報道が重荷に

Summary
半導体製造装置大手ASMLの株価が急落。中国企業が国産のDUV露光装置の限定的な量産を開始したとの報道が、同社の中国事業における競争激化への懸念を呼び起こした。
半導体製造装置で世界最大手のASMLホールディング(ASML)の株価は、27日の取引で4.5%安の1,677.71ドルへと急落した。米IT専門メディア「The Information」が、中国・上海を拠点とする国策企業が国産の液浸深紫外線(DUV)露光装置の限定的な量産に初めて成功したと報じたことが、売り材料となった。
中国での国産装置開発の進展
報道によると、この匿名の中国企業は、今年中に約5台、2027年には約20台のシステムを生産する目標を掲げているという。初期の納入先には、中芯国際集成電路製造(SMIC)や華虹半導体(Hua Hong)、長鑫存儲技術(CXMT)といった中国の大手半導体メーカーが含まれるとされている。
これらの国産装置は、現時点では性能や品質においてASML製に及ばず、生産ラインに導入されるまでには数ヶ月のテストが必要になる可能性がある。しかし、このマイルストーンは、中国が半導体製造装置の国内自給率向上に向けて大きな一歩を踏み出したことを示唆している。
市場への影響と背景
このニュースは、ASMLの株価だけでなく、アプライド・マテリアルズ、ラムリサーチ、KLAといった米国の他の半導体製造装置メーカーの株価も押し下げる要因となった。一方で、同日のS&P 500種株価指数やナスダック総合指数は上昇しており、今回の下落が市場全体のリスクオフではなく、半導体装置セクター固有の地政学的・競争的要因によるものであることを示している。
AdASMLにとって中国は、2026年の売上高の約20%を占める重要な市場だ。米国主導の輸出規制により、最先端の極端紫外線(EUV)露光装置や高性能DUV装置の中国への輸出はすでに禁止されている。そのため、残されたDUV事業は、中国国内の代替品が登場した場合に直接的な影響を受けやすい脆弱な部分と見なされていた。
投資家の懸念と今後の見通し
ASMLは2026年通期の売上高見通しを上方修正し、EUV装置の受注も2028年まで好調な見通しを示すなど、事業のファンダメンタルズは依然として堅調だ。しかし、今回の報道と、年初からの株価上昇による高値警戒感が重なり、急激な売りを誘発した形となった。
投資家は、短期的な競争上の脅威は限定的であるとしても、中国の国産代替品が中期的にはASMLのDUV市場シェアを徐々に侵食していくリスクを再評価し始めている。中国市場の構造的な重要性と、高まる競争リスクとの間で、同社株に対する見方が変化する可能性がある。