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AI開発の減速要求を受け、アジアのAI関連株が急落

アンスロピックやOpenAIなど、主要AI(人工知能)開発企業のCEOらが開発ペースの減速を提唱したことを受け、9月14日のアジア株式市場でAI関連銘柄が急落した。人類への脅威を防ぐためとの理由が、2022年以降の株式市場を牽引してきたAI分野への投資家心理を急速に冷え込ませた。
CEOらの警告と市場の反応
発端は、アンスロピックのダリオ・アモデイCEOが、AIの誤用に対する懸念が高まる中、モデルの能力向上のペースを落とすようAI企業に呼びかけたことだ。ロイター通信によると、xAIを率いるイーロン・マスク氏とOpenAIのサム・アルトマンCEOもこれに同意を表明した。
さらにアルトマン氏は、安全保障上の懸念を理由に、OpenAIが年内に新規株式公開(IPO)を実施しない方針を明らかにした。ソニーフィナンシャルグループのシニアエコノミスト、宮島孝之氏は「AI開発ペースの減速を求める週末の一連のコメントを受け、東京市場ではAI・半導体関連株に売り圧力がかかる可能性が高い」との見方を示した。
アジア全域でハイテク株が下落
この動きはアジア市場全体に波及し、特に半導体関連銘柄が大きく値を下げた。週明けの取引で確認された主な株価の動きは以下の通り。
Ad- 日本市場: OpenAIに出資するソフトバンクグループが一時13.2%安、半導体メモリーのキオクシアが9.8%安、半導体製造装置の東京エレクトロンが3.7%安となった。
- 台湾市場: 半導体受託製造最大手のTSMCが1.2%下落した。
- 韓国市場: SKハイニックスが5.3%、サムスン電子が3.7%それぞれ値を下げた。
- 中国・香港市場: メモリーチップメーカーのCXMTが2.7%安、SMICが1.4%安となったほか、Zhongji Innolightが4.1%下落した。
背景にあるAIリスクへの懸念
AIがもたらす潜在的な危害に対する警戒感は、アンスロピックが同社のAIモデル「Claude」が兵器開発やサイバー作戦、詐欺などに悪用された事例を詳述した脅威インテリジェンス報告書を発表したことで高まっていた。また、同社の研究者ジェイコブ・コクソン氏が「AIを開発している人々は、それが10年以内に我々全員を殺す可能性があると心から信じている」と述べて辞任したことも懸念を増幅させた。
アルトマン氏もAIがもたらす人類絶滅のリスクは「容認できない」と発言している。こうした専門家の警告は、2022年のChatGPT公開以降、世界の株式市場の上昇を牽引してきたAI関連の取引に冷や水を浴びせる形となった。今後は、今月予定されている米中二国間協議の一環として、AIの安全性に関する対話が行われる見込み。