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アシュモア株が下落、増益決算の裏で中核事業の収益性に懸念

新興国市場を専門とする英国の資産運用会社アシュモア(Ashmore)の株価が、9月7日のロンドン市場で下落した。同日発表された2026年6月期通期決算は、純利益が大幅に増加した一方で、手数料収入を主とする中核事業の収益性が悪化していることを示唆し、市場は慎重な見方を示した。
見かけの増益と中核事業の悪化
アシュモアが発表した決算によると、2026年6月期の帰属純利益は前年比27%増の1億330万ポンドとなり、市場コンセンサスをわずかに上回った。しかし、この増益は主に8,250万ポンドに上るシードキャピタル投資(初期投資)からの利益によるもので、経常的な収益源ではない。
一方で、事業の根幹をなす手数料収入は厳しい結果となった。成功報酬は前年の1,020万ポンドから140万ポンドへと大幅に減少し、調整後EBITDA(金利・税金・償却前利益)は32%減の3,570万ポンドに落ち込んだ。調整後純収益も7%減の1億3,560万ポンドとなり、投資家は収益の質と持続可能性に懸念を抱いている。
運用資産は回復も収益力に結びつかず
Ad明るい材料としては、運用資産残高(AUM)の回復が挙げられる。同社のAUMは前期比13%増の540億ドルに達した。年間では27億ドルの純資金流入を記録し、前年の58億ドルの純流出から大きく好転した。
また、運用成績も堅調で、AUMの77%が過去1年間でベンチマークを上回るパフォーマンスを達成した。しかし、こうした資金流入や運用成績の改善が、現時点では手数料収入の増加に結びついていない。この「見かけの利益」と「本業の収益力」の乖離が、今回の売り圧力の主な要因となった。
市場の反応
決算内容を受け、アシュモアの株価は一時1.2%安の215.8ペンスで取引された。ホルムズ海峡を巡る米国とイランの緊張を背景に原油価格が1バレル98ドル近くまで上昇するなど、英国株式市場全体(FTSE100種総合株価指数)が慎重な地合いだったことも、同社株の上値を抑える一因となった。投資家は、AUMの回復が持続的な収益向上につながるか、今後の動向を注視している。