Story
アプライド マテリアルズ株が急落、中国の半導体装置国産化報道で

Summary
半導体製造装置大手アプライド マテリアルズの株価が急落。中国企業がこれまで欧米勢の独壇場だった液浸DUVリソグラフィ装置の量産を開始したとの報道が嫌気され、業界全体に売りが広がった。
半導体製造装置大手の米アプライド マテリアルズ(AMAT)の株価は27日、日中の取引で7.1%急落した。米IT専門メディア「The Information」が、中国の政府系企業が液浸深紫外線(DUV)リソグラフィ装置の量産に成功したと報じたことが引き金となり、半導体製造装置セクター全体に売りが波及した。
中国の技術的進展が市場の懸念を増幅
報道によると、上海を拠点とする中国の政府系企業が、これまで欧米のサプライヤーが市場を支配してきた液浸DUVリソグラフィ装置の国産化と量産に成功した。これは、中国政府が進める半導体サプライチェーンの自給自足に向けた取り組みにおける重要な一歩と見なされている。
現時点では、中国製の装置が外国製の最先端モデルの精度に匹敵するものではないとされている。しかし、このマイルストーンは、西側諸国の製造装置に対する長期的な需要が侵食される可能性への懸念を増幅させ、投資家心理を悪化させた。
業界全体への影響と既存のリスク
このニュースはアプライド マテリアルズにとって特に大きな意味を持つ。同社の収益基盤において中国市場が占める割合は大きく、米国の輸出規制によってすでに2026会計年度には6億ドルから7億1000万ドルの収益への逆風が見込まれていた。今回の報道は、こうした地政学的リスクを改めて浮き彫りにした形だ。
Ad売りはセクター全体に広がり、同業のラムリサーチ(LRCX)が7.91%、KLAコーポレーション(KLAC)が5.52%、オランダのASMLが7.35%とそれぞれ大幅に下落した。
市場の背景
当日はハイテク株主導で相場が軟調に推移し、ナスダック総合指数が0.4%、S&P 500種株価指数が0.2%それぞれ下落するなど、市場全体の地合いも良くなかった。また、週後半に予定されている米連邦準備制度理事会(FRB)の政策発表を前に、投資家が慎重姿勢を強めていたことも、半導体セクターのリスクオフムードを強める一因となった。
好調だった上半期を経て調整局面にあった半導体セクターにとって、今回の中国に関する報道は決定的な売り材料となった。これにより、アプライド マテリアルズの堅調なファンダメンタルズや通期の業績見通し引き上げといった好材料は影を潜め、輸出規制と中国市場へのアクセスに関する長年の懸念が再燃した。