Story
アルナイラム株が急騰、競合薬の後期臨床試験失敗で

米バイオ製薬企業アルナイラム・ファーマシューティカルズ(NASDAQ: ALNY)の株価が、9日の取引で一時11.4% の大幅高を記録した。競合他社が開発する心疾患治療薬の臨床試験が失敗に終わったことで、同社の市場での優位性が強固になるとの期待が広がった。
競合薬の治験失敗が追い風に
Investing.comによると、今回の株価急騰の直接的な引き金となったのは、アイオニス・ファーマシューティカルズ(NASDAQ: IONS)とその提携先であるアストラゼネカ(NASDAQ: AZN)が発表した第III相臨床試験「CARDIO-TTRansform」の結果だ。
両社が開発する「eplontersen」(販売名:Wainua)は、トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)患者を対象とした試験で、プラセボと比較して心血管死および心血管イベントの再発を抑制するという主要有効性評価項目を達成できなかった。この結果は、成功が広く期待されていただけに、市場関係者にとっては大きな驚きとなった。
市場への影響とアナリストの見方
このニュースを受け、市場では明確な資金の動きが見られた。
Ad- アルナイラム(ALNY): 株価が急騰。同社の主力薬「AMVUTTRA」(vutrisiran)への当面の競合圧力が大幅に低下したことが好感された。
- アイオニス(IONS): 株価は急落。
- アストラゼネカ(AZN): 米国上場株は大幅に下落した。
アナリストもこの展開をアルナイラムにとって好材料と見ている。例えば、Stifelのアナリストは同社に対する「買い」のレーティングを維持し、今回の結果が「アルナイラムのATTR-CM領域における地位を強化するものだ」と指摘した。
背景:150億ドル市場での優位性
ATTR-CMは希少疾患でありながら、アナリストによれば市場規模は150億ドルを超えるとされる成長分野だ。現在この市場をリードしているのが、アルナイラムのRNA干渉(RNAi)技術を用いた治療薬AMVUTTRAである。
競合薬eplontersenの失敗は、アルナイラムにとって予期せぬ競争上の追い風となった。特に、今回の試験では多くの患者が既存のTTR安定化薬を併用していたにもかかわらず、eplontersenの上乗せ効果が統計的に有意でなかった点は重要だ。これにより、AMVUTTRAの治療アプローチの優位性が改めて浮き彫りになったと見られている。投資家の間では、同社のフランチャイズの持続性に対する楽観的な見方が再燃している。