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米国、イラン関連の追加制裁を発表 ホルムズ海峡の緊張激化を受け

米財務省は10日、ホルムズ海峡でイランが石油タンカーへの攻撃を再開したことを受け、同国の最高指導者モジタバ・ハメネイ師の主要な資金提供者を含む、14の個人および団体を対象とした新たな制裁措置を発表した。
新たな制裁の背景と標的
今回の制裁は、ホルムズ海峡でカタールとサウジアラビアの商船タンカー3隻がイランの攻撃を受けたことを発端とする、一週間にわたる紛争の激化に対応する形で発表された。米国はイランの拠点に報復攻撃を行い、イランも湾岸諸国の米軍施設に反撃するなど、緊張が高まっていた。
財務省外国資産管理室(OFAC)が指定した主な制裁対象は、ドバイを拠点とするイラン人銀行家兼実業家のアリ・アンサリ氏だ。同氏は、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)などの活動を資金的に支援したとして、すでに英国から制裁を受けていた。財務省によると、アンサリ氏は公的資金を流用し、自身や政府高官、IRGCを富ませるために、不動産や商業施設からなる広範な海外ポートフォリオを構築していたという。
金融網の遮断を目指す
今回の措置では、アンサリ氏に加え、イラン国内の3つの両替商と、それらと関連する外国の「フロント企業」も対象となった。これらの組織は、制裁対象となっているイランの銀行に代わり、ペーパーカンパニーの階層を利用して政府の不正な活動を隠蔽しながら、年間数十億ドルを動かしていたとされる。
Ad- 主なフロント企業: 香港を拠点とするCDM Trading Limited、アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするNaba Alzaki Raw Materials Trading LLCなどが指定された。
- アンサリ氏の手口: 同氏はセントクリストファー・ネービスに拠点を置く持ち株会社「Smart Global Limited」などを通じ、欧州や湾岸地域で数百万ドル相当の資産を蓄積していた。
スコット・ベッセント財務長官は声明で、「ハメネイ師や他のイラン高官を国際金融システムから孤立させるため、あらゆる手段を講じ続ける」と述べ、イランの支配層を支える資金源を断ち切る断固たる姿勢を強調した。
市場への影響と今後の見通し
この制裁は、米イラン間の緊張をさらに高めるものだ。イランのアッバス・アラグチ外相は、今回の制裁が新たな制裁を科さないとした合意覚書の第9条に違反すると主張。一方、トランプ米大統領はイランとの停戦は終了したものの、イラン側の要請で協議は継続すると述べており、両国の主張は食い違っている。
オブシディアン・リスク・アドバイザーズのマネージング・プリンシパル、ブレット・エリクソン氏は、今回の制裁について「米国政府はもはや既存の枠組みを維持しようとしておらず、それを完全に置き換える準備をしているという明確なメッセージだ」と分析する。中東における地政学的リスクの増大は、原油価格の変動要因となり、世界の金融市場における投資家心理に影響を与える可能性があるため、今後の動向が注視される。