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ペイパルのPYUSD基盤ステーブルコイン発行PF、取扱高1億ドルを突破

決済大手ペイパル(PayPal)、デジタル資産技術のM0、インフラプロバイダーのMoonPayが共同で開発したステーブルコイン発行プラットフォーム「PYUSDx」が、ローンチ初期段階で取扱高1億ドルを突破したことが明らかになった。同プラットフォームは、ペイパルのステーブルコイン「PYUSD」を裏付け資産として、あらゆる企業が独自のカスタムステーブルコインを発行できるインフラを提供する。
## PYUSDを基盤としたエコシステム拡大
PYUSDxは、ペイパルが自社のステーブルコインを開発者向けプラットフォームへと昇華させる試みの一環だ。M0の汎用的なステーブルコイン技術と、MoonPayの発行・流通インフラを組み合わせることで、企業はコンプライアンスや準備金の管理、決済レールといった複雑な技術開発を自社で行うことなく、独自のステーブルコインを構築できる。
ペイパルの暗号資産部門シニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるMay Zabaneh氏は、「ステーブルコイン市場は急速に成熟している。次のフェーズを分けるのは資産そのものではなく、企業がそれで何ができるかだ。PYUSDxは、その問いに答えるために設計された」と述べた。
## 初期パートナー3社が多様なユースケースを実証
ローンチ時点で、Saturn、Concrete、Capの3社がPYUSDx上で独自のステーブルコインを発行しており、合計で1億ドル超の取引量を処理した。これは、単一のインフラがクレジット、投資、DeFi(分散型金融)といった根本的に異なる金融商品を支えられることを示している。
Ad- Saturn: ビットコイン担保のデジタルクレジットを提供するプロトコル。日常の流動性決済用に「USDat」を発行しており、現在の流通量は約6,500万ドルに上る。
- Concrete: オンチェーンのボールト(金庫)インフラを運営。流動性バッファーの一部を、利回りを得られる独自のステーブルコイン「ConcUSD」に転換した。
- Cap: カバードクレジット(信用補完付き融資)プラットフォーム。ネイティブステーブルコイン「cUSD」の一部をPYUSDxに移行し、裏付け資産をより安定したPYUSDに置き換えることで、プラットフォームの信頼性を高めた。cUSD全体の流通供給量は約9,200万ドルとなっている。
## 市場への影響と今後の展望
ステーブルコイン市場は拡大を続けており、Chainwireによると、その総流通額は2025年10月に初めて3,000億ドルを超え、月間送金額は2026年初頭に7.2兆ドルに達した。PYUSDxの登場は、大手決済企業のエコシステムを活用することで、より多くの企業がステーブルコイン市場に参入するハードルを下げる可能性がある。
MoonPayのステーブルコイン部門責任者であるZach Kwartler氏は、「PYUSDxが1億ドルを突破したことの意義は、その規模が全く異なる方法で同じインフラを利用するビルダーからもたらされたことにある」と指摘。プラットフォームの柔軟性と拡張性が、今後のエコシステム拡大の鍵となるとの見方を示した。