Story
中東緊迫で原油・ドル上昇、英ポンドも連れ高

外国為替市場で英ポンドが対ドルで小幅に上昇した。米軍がイラクで空爆を実施したことを受け、中東の地政学的リスクが高まり原油価格が上昇。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派的な金融政策を維持するとの観測が強まり、ドルが広範に買われた。
中東情勢の緊迫化が市場を動かす
米軍がイラク北部のインフラ施設を標的に空爆を実施したことを受け、北海ブレント原油先物価格は一時1バレル=80ドルを上回った。エネルギー価格の上昇はインフレ圧力を高めるため、市場ではFRBが利下げを遅らせるとの見方が強まっている。
このドル高基調を受け、各通貨の動きは以下の通りとなった。
- GBP/USD:1.3390ドルへと0.03%上昇
- EUR/USD:1.1429ドルへと0.11%上昇
- ドルインデックス(DXY):101近辺で推移
FRBのタカ派姿勢が相場の主軸に
INGのグローバル市場責任者であるクリス・ターナー氏は、「エネルギー価格の上昇はFRBのタカ派を後押しし、特に低金利通貨に対してドルを下支えするだろう」と指摘。ドルインデックスは101.50近辺まで上昇する可能性があるとの見方を示した。
Ad同氏によると、今回のポンド高は英国のファンダメンタルズ主導ではなく、地政学的リスクが高まる局面で、短期金融市場がユーロ圏よりも英国でより鋭く調整されるという過去のパターンを繰り返しているに過ぎないという。一方でユーロは、欧州中央銀行(ECB)が9月に追加利上げに踏み切るとの観測(短期金融市場は22ベーシスポイントの利上げを織り込み)から底堅く推移しているが、INGは「FRBの動向がより支配的なテーマになる」として、EUR/USDは1.14ドルを下回る水準に押し戻される可能性があると分析している。
今後の注目材料
市場の関心は、今後発表される米国の経済指標や金融当局者の発言に集まっている。投資家が注視している主なイベントは以下の通り。
- ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁の講演(ハト派と目される)
- 来週火曜日に発表される6月の米消費者物価指数(CPI)
- 来週水曜日に予定されているウォルシュFRB議長の議会証言
- 木曜日に公表されるECBの6月理事会の議事要旨(タカ派的な内容と予想)
これらの経済指標や発言、あるいは中東情勢の緩和が、今後のドル主導の相場展開に変化をもたらすかどうかが焦点となる。