Story
英ポンド、中東情勢緊迫化で堅調推移 FRBのタカ派姿勢観測がドルを支援

Summary
中東での軍事行動を受けて原油価格が上昇し、FRBのタカ派姿勢が長期化するとの観測が強まる中、英ポンドが対ドルで小幅に上昇した。市場の焦点は今後の米金融政策と地政学リスクの動向に移っている。
外国為替市場で木曜日、英ポンドが対ドルで小幅に上昇した。中東情勢の緊迫化が原油価格を押し上げ、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派的な金融政策を維持するとの観測を強めたことで、ドルが下支えされた中での動きとなった。
中東情勢の緊迫化が市場を動かす
米軍がイラク北部でインフラ目標を攻撃したとの報道を受け、地政学リスクへの懸念が広がった。これを受け、国際的な原油価格の指標であるブレント原油は一時1バレル=80ドルを上回った。
INGのグローバル市場責任者であるクリス・ターナー氏は、「エネルギー価格の上昇はFRBのタカ派に材料を提供し、特に低金利通貨に対してドルを下支えするだろう」と指摘。ドル指数(DXY)は現在の101付近から101.50近辺まで上昇する可能性があるとの見方を示した。東部時間午前7時57分(GMT午前11時57分)時点で、ポンド/ドルは1.3390ドル、ユーロ/ドルは1.1429ドルで取引された。
ポンド高の背景
今回のポンド高は、英国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)主導ではない。INGによると、この動きは「3月上旬の湾岸危機初期のパフォーマンスを繰り返している」という。地政学的な緊張が高まると、英国の短期金融市場の金利カーブがユーロ圏よりも急激に調整され、結果としてユーロ安・ポンド高(EUR/GBPの下落)につながる傾向がある。
Adまた、スイス国立銀行(SNB)がG10諸国の中で最後に利上げに踏み切るとの観測から、スイスフランが軟調に推移しており、ポンド/スイスフラン(GBP/CHF)相場では長期的な下落トレンドが転換する可能性も指摘されている。
今後の展望と注目材料
市場の関心は、今後発表される米国の経済指標と金融当局者の発言に移っている。木曜日にはハト派と見なされているニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁の講演が予定されており、来週には6月の米消費者物価指数(CPI)の発表とウォーシュFRB議長の議会証言が控えている。
一方、欧州では欧州中央銀行(ECB)がタカ派姿勢を維持すると見られている。短期金融市場では9月の追加利上げ(+22bp)が織り込まれつつある。しかしINGは、「FRBのストーリーがより支配的なテーマになる」とし、ドル高がユーロの上値を抑え、ユーロ/ドルは再び1.14ドルを下回る可能性があると分析している。