Story
フェンダー、ストラトキャスターの意匠権巡りヤマハと対立へ

Summary
米ギター大手フェンダーが、象徴的な「ストラトキャスター」のボディ形状に関する著作権保護の動きを拡大し、日本の楽器大手ヤマハに警告書を送付したことが明らかになった。EUでの勝訴を背景に、業界全体に波紋が広がっている。
米国のギターメーカー、フェンダーが、同社の象徴的なエレキギター「ストラトキャスター」のボディ形状に関する法的な権利保護キャンペーンを拡大し、世界最大の楽器メーカーであるヤマハに警告書を送付したことが、ヤマハへの取材で明らかになった。
争いの背景
この動きは、フェンダーが今年3月、ドイツの裁判所でストラトキャスターのボディ形状に対する著作権保護が認められたことを受けて始まった。ロイター通信によると、フェンダーはこの判決を根拠に、欧州連合(EU)域内の他のメーカーや小売業者に対し、類似モデルの製造・販売を停止するよう求める差止請求書を送付している。
今回のヤマハへの警告書送付は、これまで報じられていなかった。ヤマハは、警告の対象となった具体的なモデル名は明かさなかったものの、書面を受け取ったことを認め、内容を精査し対応を検討していると回答した。
市場への影響と業界の反発
フェンダーの強硬な姿勢は、同社を潤沢な資金を持つ競合であるヤマハとの直接対決に発展させる可能性がある。また、多くのミュージシャンが数十年にわたり広く使用されてきたことで「一般的」なデザインと見なしている形状の独占権を主張できるかどうかが、大きな争点となっている。
Adこの問題は、安価な代替品を欧州市場から排除し、中国やインドといった急成長市場での競争環境を再編する可能性を秘めている。ドイツの大手小売業者トーマンは、フェンダーのギターに似た形状の自社ブランド製品を販売しており、業界の多様性を守る必要があるとしてフェンダーを反訴している。
両社の見解
フェンダーはロイターへの声明で、「これらの象徴的なデザインを保護することは、ブランドとその伝統、そしてミュージシャンがフェンダーの楽器に抱く信頼性に対する我々の義務の一環だ」と述べた。一方で、ヤマハの「パシフィカ」シリーズは1990年に発売され、ストラトキャスターに類似した形状を持つことで知られている。
フェンダーは2009年、米国でストラトキャスターの形状に対する商標保護を求めたが認められず、控訴しなかった経緯がある。今回の法廷闘争は当面EU域内が中心となるが、その行方は世界のギター市場に大きな影響を与える可能性がある。