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欧州株は上昇、好決算がFRBへの警戒感や地政学リスクを相殺

Summary
29日の欧州株式市場は小幅高で引けた。銀行や高級ブランドなど主要企業の好決算が相次いだことが支えとなったが、米FRBの政策発表を控えた警戒感や中東の地政学リスクが上値を抑えた。
29日の欧州株式市場は、主要企業の好決算が相次いだことを背景に小幅に上昇した。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定を控えた不透明感や、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰が重しとなり、相場の上値は限定的となった。
好決算が相場を牽引
この日の取引では、汎欧州株価指数であるSTOXX 600が0.1%高となった。個別に見ると、ドイツのDAX指数は0.2%、フランスのCAC 40指数は0.3%、英国のFTSE 100指数は0.4%それぞれ上昇した。
相場を支えたのは、幅広いセクターからの力強い企業決算だった。
- 金融: 英スタンダード・チャータードはウェルス・マネジメント部門の好調を背景に決算が予想を上回り、通期収益目標を引き上げたことで株価が3%上昇。スイスのUBSやスペインのカイシャバンクも予想を上回る四半期決算を発表した。
- 高級品: 仏ケリングは、中核ブランド「グッチ」の売上減少が市場予想より小幅にとどまったことが好感され、株価が9%急騰した。
- 鉱業・ヘルスケア: 鉱業大手のリオ・ティントは4年ぶりの高水準となる上半期利益を発表し2.5%高。ヘルスケア企業のGSKも通期利益率見通しを上方修正した。
マクロ経済と地政学リスクが重荷に
Ad一方で、好調な企業業績だけではマクロ経済の逆風を完全に打ち消すには至らなかった。投資家は、同日発表されるFRBの金融政策決定を前に神経質な姿勢を崩していない。市場では政策金利の据え置きが広く予想されているものの、根強いインフレ懸念やエネルギー価格の上昇を背景に、予想外の利上げやタカ派的なガイダンスが示される可能性も意識されている。
地政学的な緊張もリスク要因となった。中東での軍事行動が激化したとの報道を受け、ブレント原油先物価格は一時3%以上急騰。エネルギー価格の上昇がインフレを長期化させることへの懸念が市場の重しとなった。
ハイテク株への懸念も再燃
さらに、欧州のハイテク株は、アジアの半導体株安の流れを引き継いで下落した。韓国のSKハイニックスが発表した四半期営業利益が市場予想を下回ったことがきっかけとなり、人工知能(AI)関連銘柄の過大な評価や設備投資の増大に対する懸念が再燃した。
このハイテク株の不振は、同日にマイクロソフトやメタ・プラットフォームズといった米巨大テック企業の決算発表を控える中で、市場心理を冷やす要因となった。欧州市場は、好調な企業決算と、マクロ経済、地政学、そしてハイテク分野という複数の懸念材料が綱引きする展開となった。