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欧州ガス価格が下落、米・イラン協議発表で供給懸念が後退

Summary
月曜日の欧州天然ガス価格は、米国とイランの直接協議が発表されたことを受け下落した。中東の地政学リスクが後退し、ホルムズ海峡経由の供給途絶懸念が和らいだことが背景にある。
欧州の天然ガス卸売価格は月曜日に下落した。米国とイランの直接協議が発表され、中東における地政学的な緊張が緩和したことで、トレーダーが最近の価格に織り込まれていたリスクプレミアムを解消する動きに出た。
地政学リスクの後退が価格を圧迫
欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTFの期近物は、午前中の取引で2.2%下落し、1メガワット時(MWh)あたり約56.50ユーロで取引された。英国の卸売ガス価格も2.0%安の1サーマルあたり141.00ペンスとなった。
この価格下落は、トランプ米大統領がイラン当局者との直接協議を月曜日に予定していると発表したことが引き金となった。大統領はまた、ホルムズ海峡の再開を目指す合意を追求するため、計画されていた軍事攻撃を中止したと言及。この外交的な動きは、世界の原油価格を5%以上押し下げ、欧州のガス市場にも即座に安心感をもたらした。
7月の価格急騰の背景
7月の欧州天然ガス価格は、4ヶ月ぶりの月間上昇となり、3月以来最大の上げ幅となる30%以上の急騰を記録していた。この背景には、イラクでの米・サウジ共同空爆やイランによるミサイル攻撃など、中東情勢の緊迫化があった。
Ad一連の軍事行動は、欧州の夏の供給バランスにとって不可欠なカタール産液化天然ガス(LNG)の主要輸送ルートであるホルムズ海峡を通過する海上輸送を脅かしていた。さらに、欧州中部・南部での猛暑により冷房用の電力需要が高まり、天然ガスが貯蔵施設への注入ではなく発電に向けられたことも、需給を逼迫させる一因となった。
低水準の貯蔵率が下値を支える
こうした状況の結果、7月末時点での欧州連合(EU)のガス貯蔵施設の貯蔵率は約55%にとどまり、過去5年間の平均や昨年の同時期の水準を大幅に下回っている。
アナリストは、月曜日の外交的な進展が短期的な価格緩和をもたらしたものの、構造的な供給懸念は解決には程遠いと警告している。11月1日から始まる冬季の暖房需要期を前に貯蔵の補充が遅れているため、今後の米・イラン交渉の行方次第では、欧州の天然ガス価格は引き続き変動しやすくなる見通しだ。