Story
中東情勢緊迫化で欧州ガス急騰、ホルムズ海峡の供給懸念で1カ月ぶり高値

Text size
Background
中東情勢の緊迫化を受け、欧州の卸売天然ガス価格が月曜日に急騰し、1カ月以上ぶりの高水準に達した。世界有数のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡が閉鎖されたとの報道が、世界の液化天然ガス(LNG)供給に対する深刻な懸念を煽った。
価格動向
Investing.comによると、欧州ガス価格の指標となるオランダTTFの先物価格(期近物)は、午後の取引で4.1%上昇し、1メガワット時(MWh)あたり50.65ユーロを付けた。英国のガス価格も同様に約5%急騰し、1サームあたり122ペンスで取引された。
この価格急騰の直接的な引き金となったのは、米軍とイランの新たな軍事衝突を受け、イランが「追って通知があるまで」ホルムズ海峡を閉鎖したと宣言したことだった。米中央軍は、同海峡が商業輸送に対して開かれたままであると主張しているものの、封鎖の脅威だけでエネルギー市場に衝撃が走った。
Ad市場への影響と背景
ホルムズ海峡は、欧州のエネルギー安全保障にとって極めて重要な海上交通路であり、カタールからの輸出の大半を含む、世界のLNG取引全体の約5分の1を担っている。このため、同海峡の閉鎖は供給途絶に直結するとの懸念が価格を押し上げた。
アナリストは、新たな軍事衝突によって外交努力が後退したことで、市場のボラティリティは高い状態が続くと警告している。欧州では2026年から2027年にかけての冬の暖房シーズンに向けてガス貯蔵が進められているが、現在の貯蔵率は約47%にとどまり、前年同月の56%を下回っている。湾岸地域からのLNG輸出が長期的に制限されれば、アジアの買い手との獲得競争が激化し、価格がさらに高騰する可能性がある。