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欧州ディーゼル利ざや、米在庫増でも高値維持 ロシア製油所停止が下支え

Summary
米国の留出油在庫が予想外に増加したものの、欧州のディーゼル利ざやは高値圏で底堅く推移した。米東海岸の在庫減少やロシアの製油所停止といった供給懸念が、弱気材料を相殺している。
欧州のディーゼル利ざや(マージン)は、米国の在庫が予想外に増加したとの統計にもかかわらず、記録的な高値圏で安定的に推移した。供給引き締まりへの根強い懸念が、在庫増という弱気材料を相殺した形だ。
米在庫統計、予想外の増加
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計によると、ディーゼルやヒーティングオイルを含む留出油在庫は、前週比で80万バレル増加し、1億420万バレルとなった。これは、市場アナリストが予想していた130万バレルの減少とは対照的な結果である。
この統計を受け、欧州の低硫黄軽油先物とブレント原油先物との価格差(クラックスプレッド)は、グリニッジ標準時16時15分時点で1バレルあたり76.39ドルとなり、前日終値からわずか22セントの上昇にとどまった。しかし、依然として歴史的な高値水準に近い。
供給サイドの懸念が価格を支持
Ad米国の全体的な在庫増にもかかわらず、市場の関心は供給面の引き締まりに集まっている。EIAの同報告では、米東海岸の留出油在庫が過去最低水準に落ち込んだことが示されており、地域的な需給の逼迫が浮き彫りになった。
さらに、地政学的リスクも価格を支える要因となっている。業界筋2名の情報によると、ロシア最大級の製油所の一つであるスルグトネフテガス傘下のキリシネフテオルグシンテズ(KINEF)製油所が、8月30日のドローン攻撃による設備損傷を受け、原油処理を停止したと報じられている。
市場への示唆
現在のディーゼル市場は、米国の総在庫増加という弱気材料と、地域的な供給逼迫(米東海岸)や地政学的リスク(ロシア)という強気材料が綱引き状態にあることを示している。この均衡がディーゼルマージンを高値圏で維持させており、中間留分市場の潜在的なタイトさを物語っている。投資家は、今後の需給バランスを見極める上で、製油所の稼働状況や地政学的な動向を注視していく必要がある。