Story
ドル反落、FRB議事要旨のハト派的な内容が地政学リスクによる買いを相殺

Summary
水曜日の外国為替市場で米ドルは反落した。米国とイランの緊張激化による安全資産需要が、予想外にハト派的と受け止められた米連邦準備制度理事会(FRB)の議事要旨によって相殺された。
水曜日の外国為替市場で米ドルは、日中の上昇分を失い反落した。米国とイランの地政学的緊張の高まりが安全資産としてのドル需要を喚起したものの、その後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が予想よりハト派的と受け止められ、ドル売り圧力となった。
ハト派的と受け止められたFRB議事要旨
水曜日に公表された6月16-17日開催分のFOMC議事要旨では、金融政策の見通しについて政策担当者の意見が分かれていることが示された。インフレに対する不確実性が高いことが指摘されている。
議事要旨によると、「ほとんどの」参加者はインフレが自律的にFRBの目標である2%に戻るシナリオを指摘した。一方で、「ほぼ全ての」参加者は、AI関連の強い需要や中東紛争などを背景にインフレが高止まりした場合には「ある程度の政策引き締めが正当化される可能性が高い」との見方を示した。
市場ではこの内容が、事前の予想に比べてハト派的であると解釈された。アナリストは、現在のインフレに対するタカ派的な言及はあるものの、将来の見通しに関する文言が引き締めよりも緩和の可能性を示唆していると指摘している。FRBは6月の会合で、政策金利を3.50%~3.75%の範囲で据え置いている。
米・イラン間の緊張激化がドルを一時支援
Ad議事要旨の公表前、ドルは上昇していた。ホルムズ海峡付近での石油タンカー攻撃に対する報復として米軍がイランへの攻撃を開始し、両国間の緊張が急激に高まったことが背景にある。
この地政学的リスクの高まりは、投資家のリスク回避姿勢を強め、安全資産であるドルへの資金流入を促した。この影響で原油価格も急騰し、国際的な指標であるブレント原油先物は一時1バレル80ドルを上回った。
主要通貨の動向
主要6通貨に対するドルの動きを示すドルインデックスは、0.1%安の100.99で取引を終えた。
- 円: ドル円は0.4%上昇し、1ドル=162.62円となった。日本銀行の審議委員が金融政策の正常化を緩やかに進める姿勢を改めて示したことが、円安要因となった。
- ニュージーランドドル: 同国の中央銀行が予想通り0.25ポイントの利上げを実施し、追加の引き締めが必要になる可能性を示唆したことを受けて上昇した。
- オーストラリアドル: 小幅に上昇した。